fujigelge2007-04-02


ベッドで寝ている女の子:「おばあちゃん。今日はどんなお話してくれるの?」

ユリ椅子で編み物をしているおばあちゃん:「そうだねぇ・・・じゃあ今日は伝説のアイドル橘ルミの話をしようかねぇ?」

ベッドで寝ている女の子:「わあ!!聞かせて聞かせて!!」




唐突だが、みなさんはアイドルになるとはどういう意味かご存じか?
ただ歌を唄い、踊りを踊って写真集を出すコトだけがアイドルの仕事なのだろうか?
その答えは否!
断じて否!
アイドルになると言うコトは人間であるコトを捨てるという意味に他ならない。
そう、偶像は人間であってはならないのである。
アイドルという職業はそういう修羅の道であり、冥府魔道なのである。
しかし、人は易々と人を捨てるコトなど到底出来ない。
ましてや年頃の女の子なら尚更である。
最近アイドルの不祥事が表沙汰になっているが、それは仕方のないコトだ。
人間誰しもブルセラでパンツを売りたいし、タバコも吸いたいし、年齢だって詐称したい。
セックスの後に写真も残したいし、マネージャーと駆け落ちだってしたい。
だって人間だもの。
もう1度言う。
だって人間だもの。
当たり前だが、アイドルだって人間なのである。
人間である以上、私達と同じように108つの煩悩があるのである。
煩悩ガールズなんて実際に108人もいたのだ。
私はアイドルが不祥事を起こしたとしても責めない。
誰が責められようか。
人間誰しも善人であり続けるコトなど不可能なのだ。
振り返れば誰でも何かしらの悪行は働いている。
「あいつはデリカシーがない」
などと言っている人間でさえ、知らないうちに誰かを傷つけていたりするのだ。
自分だけが善人だと思ったら大間違いなのである。
だから浄土真宗親鸞

「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」(善人が極楽往生できるのなら、悪人ができないはずが無い)

と言ったのかもしれない。
んが(鼻濁音)、しかし。
人間を捨てるコトが出来ぬのなら、しっかり脇を固めるコトぐらいしろと言いたい。

人間を捨てられないのなら、脇を固めろ!
最近のアイドルは脇が甘い。
これは決してフレーバー的な意味ではなく、ジョジョの第5部の敵ディアボロのように、自分のやましい過去や行動一切を消すぐらいの心構えを持てという意味である。
それがプロってもんだ。
私はそんなアイドルのプロを知っている。
その名は橘ルミ
彼女こそがアイドルのプロ中のプロなのである。
アイドル共よ!
橘ルミをいまこそ見習え!
この名を聞いてピンとこない人に、伝説のアイドル橘ルミについて紹介しようと思う。
橘ルミとは、アニメ(漫画)巨人の星に登場したオーロラ3人娘というアイドルユニットのリードボーカルを務めていた人物である。
デビュー曲は

「♪アーイラビュアーイラビュフォエバーモー♪」(アイラブユーアイラブユーフォーエバーモア)

一世風靡したクールな恋だった。
彼女のコトを何も知らぬファンから見れば、一見順風満帆なアイドルに見える彼女。
しかし、彼女達が人気アイドルになったのは、底知れぬ努力を積み重ねた結果なのである。
では、彼女がトップアイドルになるまでの経緯を紹介しよう。
まず、彼女達3人がトップアイドルになるタメしたコトは、すでに有名なスポーツ選手とスキャンダルを起こすコトであった。
彼女達が選んだその有名なスポーツ選手こそが星飛雄馬花形満、左門豊作だったのである。
彼女達が選んだスキャンダル作戦の最初の舞台は、テレビ局主催の新春ボウリング大会だった。
そこで彼女達は各々飛雄馬、花形、左門にアプローチをかける。
しかし、花形にアプローチをかけたメンバーは軽く花形にかわされ、もう一人のメンバーは左門に徒歩で送ってもらった帰り道で焼き芋を
「食わんですか?」
と勧められたのにゲンナリきて断り、2人はあえなく作戦失敗。
唯一橘ルミだけが飛雄馬と付き合うコトとなるのだ。
雄馬にとって、ルミは初めての彼女であった。
自分がのし上がるタメに付き合っていると知らない飛雄馬は、このルミに熱を上げる。
ルミは飛雄馬など眼中にないのに。
とんだ魔性の女である。
しかし、ルミが凄いのはここからだ。
ルミはとある事故で酷い捻挫になり、左足首を負傷する。
それも、オーロラ3人娘のコンサートが控えている大事な時期での捻挫。
ルミはここで絶体絶命のピンチになる。
しかし、ルミは舞台に立った。
何故なら彼女はプロだからである。
ルミは負傷した左足首のまま舞台に立ち、舞台の袖で見守る飛雄馬の前で歌った。
では、その壮絶なシーンをご覧ください。


「ルミさんが捻挫した足で立っている・・・
これがルミさんの本当の姿なのか・・・
あっ!こ・・・これはっ!!?
なんと言う事!!
捻挫の痛さに膝がつきそうになるのを防ぐ為・・・足につっかえ棒を縛りつけているんだ!!!
なんと言う舞台への執念・・・。
気絶してしまう程の痛さに耐えて歌っている顔に・・・ほほ笑みさえ浮かべて・・・。
頑張れ・・・頑張れルミさん!!!」

雄馬が号泣するほどの壮絶なプロ根性!
これこそが橘ルミというアイドルなのである。
そして、そんな飛雄馬とルミにも別れがやって来る。
新聞記者に飛雄馬とルミのデート現場をスクープされたからである。
写真を撮られたというコトは、ルミの作戦が完了したという意味に他ならない。
何故なら、ルミの当初の目的は、飛雄馬を使った売名行為だからである。
決して飛雄馬が好きだから付き合っていたワケではないのだ。
そしてルミはスクープされたあと、飛雄馬に電話で別れを告げる。

「ごめんなさい・・・私はスキャンダルで生きて行く世界・・・私とあなたでは住む世界が違うの」

と。
雄馬はそれを聞いてまた号泣する。
なんせ1番大切な人に裏切られたのだ。
そりゃ号泣する。
誰だって号泣する。
しかし、プロのアイドルは人を裏切ってなんぼの商売なのだ。
ルミは間違ってはいない。
ここで言う裏切りは屍を乗り越える裏切りなのだ。
ベルセルク的にいうと、グリフィスなのだ。
決して大勢のファンを悲しませる裏切りではない。
トップにのし上がるにはその他の大勢の人間の犠牲がいるのだ。
ルミも傷ついていたのだ。
この恐るべきプロ根性を世のアイドルよ見習うがいい!
ビバ!!
橘ルミ!!
オレは君を忘れない!!!
以上。