fujigelge2008-04-09

ベッドで寝ている女の子:「おばあちゃん。今日はどんなお話してくれるの?」

ユリ椅子で編み物をしているおばあちゃん:「そうだねぇ・・・じゃあ今日は80年代に起こったSDブームの話をしようかねぇ?」

ベッドで寝ている女の子:「わあ!!聞かせて聞かせて!!」




SDとは、スーパーディフォルメの略であり、SDと言えば、SDガンダムである。
一般的にそうである。
しかし、SDガンダムが現れるまで、このSD路線は様々な展開をしていたコトをみなさんはご存じか?
今回は、そんなSDの話です。
このSDの元祖はウィキペディアでは

チョロQ」のヒットから「太陽の牙ダグラム」の劇場公開時に同時上映としてディフォルメキャラクターによるパロディ作品「チョロQダグラム」を制作、走行形態に変形しプルバック走行する玩具が発売された。この流れはその後の「装甲騎兵ボトムズ」「巨神ゴーグ」等に続いた。

と書かれている。
その巨神(ジャイアント)ゴーグのチョロQを買ったのが、私とSDとの初めての出会いである。
当時の、このゴーグチョロQは、今のSDとはちょっと違う軽いディフォルメだったが、カワイさの中にカッコ良さを秘めた中々のデザインであった。
胸部を「パカッ」っと開いてタイヤを出し、両足首を「カチッ」っと曲げてタイヤを出すと言うオリジナルにはない変形をさせて走らせるのである。
そしてこのカワイイとカッコ良いを兼ね備えた商品が、後のSDブームを巻き起こすのである。
が、その前に、超力ロボガラットの存在を忘れてはいけない。
歴史的な詳細はわからないが、SDというアイデアが生まれるちょうどその時期に、このガラットが放送していたように思う。
超力ロボガラットとは、1984年に放送されたサンライズ制作のギャグロボットアニメで、主人公が乗る通学用のダメロボットが、ひょんなコトから悪の宇宙不動産屋と戦うヒーローロボに改造されるというのがおおまかなストーリーである。
既存のロボットアニメで展開するのがSDの発想だったが、オリジナルで行ったのがこのガラットが最初だと思うのだが、その辺どうなんだろう?

超力ロボガラット


私はこのアニメが大好きだったのだが、SDのカワイさとカッコ良さとギャグのおもしろさが当時の子供に上手く伝わらず、このガラットは25話で打ち切りの目に遭う。
その伝説に残るであろう最終回を軽く紹介すると、主人公ロボ達が敵ロボに負け、劇中のストーリーとはまったく関係なく登場するデブの双子どすこい姉妹がどすこいパワーでラスボスを倒すのである。*1
「どすこーい!どすこーい!!」
とか言って。
当時小学生だった私は、このあまりにも酷い最終回を見て爆笑したのを昨日のように覚えている。
しかし、ギャグアニメとしてはこの最終回は大成功だろう。
まあ、ガラットのコトはこれくらいにして、話をSDガンダムに移そう。
SDガンダムを語る上ではずせないのが、数々のSDガンダムをデザインした鳥山劣*2の存在であろう。
彼のディフォルメのセンスはずば抜けており、今でもそのSDの魂はスーパーロボット大戦に受け継がれている。
兎に角、鳥山の手にかかればMS-14B 高機動型ゲルググの後姿や、ドーベンウルフなどの、どんなに線が多くて描くのが難しいモビルスーツのキャラも上手くSDに変えるコトが出来るのだ。
SDガンダムは所謂ガシャポンの塩ビフィギュアを収集するのが普通だったが、ごく少数の子供の間では、塩ビと一緒に入ってる鳥山劣のイラストシールを集めるのが通とされていた。
塩ビフィギュアの方を集めて喜んでる奴を見ると
「まだまだ若いな」
と思ったモノである。
その後、SD武者ガンダムでSDの人気はピークになっていくのだが、今回はそんなブームの恩恵をまったく受けなかったSDシリーズを紹介しよう。
まず、ガンダムなどの数々のロボットデザインで有名な大河原邦男がデザインしたオリジナルプラモデル、オモロイド。
        コレ
         ↓
http://www.vega.or.jp/~butto/pbot.html
当時、私はこのシリーズに熱中したが、一般層には思いっきりスベった。
ダダスベりだった。
デザインや、その他の設定もおもしろかったのにスベった。
学校の友人にも奨めたがスベった。
悔しかった。(田口トモロヲの声で)
そして、忘れてはならないのが、バンダイがオリジナル展開した玩具スパイラルゾーンシリーズ。
        コレ
         ↓
http://www.geocities.jp/sdjadou/gallary_SZ01.html
ミリタリー色の強い骨太なデザインが素晴らしかったのだが、一般層には思いっきりスベった。
本来はSDではなく、ちゃんとした等身大のアクションフィギュアだったのをわざわざSDにしたのにスベった。
このシリーズで最も素晴らしいデザインだったのが一輪バイク<モノシード>だろう。
バイクを一輪車にするという発想はこの当時衝撃的だった。
「いや、こんなのドラゴンボールで見たコトあるよ」
と思ったあなたは鋭い。
確かにドラゴンボールでランチさんが初登場した時、ランチさんはこの一輪車バイクに乗っていたが、スパイラルゾーンの方がこの発想は早い。
一輪車バイクはもしかしたらスパイラルゾーンより前にもあったアイデアかもしれないが*3ランチさんのバイクのデザインベースはモノシードっぽい。
もしかしたらミリタリーが好きな鳥山明はこのシリーズを知っていたのかもしれない。
私はドラゴンボールでこのシーンを見て興奮したのを覚えている。
あと、この一輪車バイクの登場で記憶に新しいのが、特捜戦隊デカレンジャーで登場したデカブレイクの乗るマシンボクサーであろう。
そんなひっそりと多方面で影響を与えたであろうスパイラルゾーンであったが、スベった。
ダダスベりだった。
デザインや、その他の設定もおもしろかったのにスベった。
学校の友人にも奨めたがスベった。
悔しかった。(田口トモロヲの声で)
結局生き残ったのはSDガンダムスパロボだけになったが、私は忘れられたこのシリーズ達を愛している。
っていうか、スパロボは未だにやったコトがない。
なワケで、最後に魔神英雄伝ワタルのこのセリフでお別れしよう。



おもしろカッコイイぜ!!!

以上。

*1:このどすこい姉妹が毎週行うギャグはかなりシュールで素晴らしかった。

*2:現、横井孝二。彼はスケバン刑事の大ファンでもあり、彼のデザインしたSDスケバン刑事のイラストも見事だった。

*3:寺沢武一コブラに出てたような気もする。ヴイナス戦記にも出てきたなあ。どれが1番早かったんだろ?