真夜中のレスラー

fujigelge2004-07-25

<ノア>秋山VS小橋戦、東京ドーム興行をテレビで観た。
とても素直な感想なんだが、<感動>した。
<たかがプロレスの試合>にである。
久しぶりに良い試合を観た感じだ。馬場体制の<全日>からまったく変わっていない所に感動したと言うのも理由の1つだ。
東京ドーム5万何千人で満員御礼だって?まあそうだろうな。もう<天下のノア>って言っても全然過言ではないだろう。
テレビ越にも<大歓声>が響いていた。あの現場にいた人達は、<世間では一切注目されていない試合>に酔い、幸せな興奮に包まれたのだろうな。
<東京ドームを満杯にするが世間では一切注目されないスポーツ>それがプロレスと言う不思議なスポーツである。
そしてどのスポーツより客の声援に応えるスポーツでもある。

今日その感動も手伝って<プロレスの面白さ>を書こうと思ったけどやめた。
理由としては書いても一切伝わらないと思うから意味ないもんな。メンドクサイし。
たぶんプロレスの面白さを1から伝えようとしたら大変だよ?マジで。<タブー>も一杯あるしな。
プロレス知らない人に<アングル>なんてモン説明しようもんなら、
「じゃあプロレスって八百長なんだ?」
で終わると思うしな。
ホントスポーツなのに<ワビサビ>を知らないと理解出来ないって言うトコにある種の<敷居の高さ>が生まれてくるんだろう。もう<数学>と一緒で一度つまずくと全然ついてこれなくなる。っていうか<ついてけねぇ>って言うのが普通か?
しかし、<ノア>は誰が観ても面白い試合だと思う。かといって
ノアだけはガチ
なんて言わないけど。
そういう人は、
「ノアは<プロレス>に対する想いはガチ」
って言ったほうがいいと思うなあ。だってそのほうがカッコイイことない?
なかなか出来ないよ?人を楽しませる為に<トップロープからの場外エクスプロイダー>を<受ける>なんて。そうとうな<覚悟>だよ?<仕掛ける>ほうも<受ける>ほうも。
でもこういうのは、はたから見るとただの<バカ>にしか映らないのが<プロレス>の面白さでもあるんだけど。
昔付き合ってた彼女の家でプロレス観てたとき、彼女に
「コノ赤いパンツの人と黒いパンツの人どっちが強いん?」
と訊かれ、私が、
「赤いパンツが<ギロチン・チョーク>で勝つ」
と言ったら、ホントに<安田がギロチン・チョーク>で勝った。彼女はとても不思議そうに、
「なんで分かってんのに観んの?」
と言っていた。ナンだったら試合によっては<時間切れの両者引き分け>まで分かると言ったトコロ、<私をバカ>にした感じで
「ふ〜ん」
と言った。
観てるほうも<バカ>にしか映らないのだ。
まあ実際やってるトコも<バカ>みたいだもんな。
良い大人が<トップ・ロープから飛び降りた攻撃>するんですよ?
つまり
<高いトコから飛び降りた攻撃は普通の攻撃より凄い>って言う発想だ。もう<子供の発想>。
あと<ムーンサルト・プレス>っていう<高いトコからバク転して相手に向かって腹から落ちていく>っていう技あるんだけど、どう考えても<それやった奴の方が痛い技>なのな。
その技のせいもあって<小橋膝イカレた>しな。なのに小橋は<ムーンサルト・プレス>をやめなかった。
それは<客>を楽しませる為だからだ。
野球選手は<小指の違和感>でマウンドを降りる。しかし、プロレスラーや格闘家は<身体を潰して>なんぼの商売である。だからといって<プロレスや格闘技の方が偉い>なんて言っているのではない。
例えばあなたが<女>だとして<男>に
「君の為ならこの命いつでも捨てれる」
と言われたらどうだろう?
たぶん<キモい>とか<重い>って言うんだろう。もしくは<ウソばっか>って思うかもしれないな。
でも目の前でそれを証明してくれるのが<格闘技>というものだ。
自分の<好き>なものの為に<命を削る>を実際にやっている。
ようは重いんだろうな。興味ない人には。
しかし、<プロレスはガチンコ>ではない。<ウソばっか>の部類だが、<誠意のあるプロレスは人を感動させる力>がある。
それは<たかがプロレスに一生懸命>だからだ。
高校時代、何事にもやる気がなく腐っていたトキに<三沢光晴VSジャンボ鶴田3冠統一戦>をやっていたのをたまたま観た。
こいつらは<たかがプロレス>に<一生懸命>に闘っていた。
ロープに振れば返ってき。余裕で避けれる<ボディー・プレス>も避けずに受ける。
やってるコトは決して<ガチンコ>ではない。しかしその時私は泣いてしまった。
「クダラネーーーーー!!!こいつら頭ワリィなーーーーーー!!!」
っていいながら。
そこには決して<ゴールデン>では流れない<男の本気>があった。
どんな下らないコトでも<誠意>があれば感動できるものである。
たまにこういうのがあるから<プロレス>観てるんだろうな。
でもこんなのに感動してるってはたから見たら<バカ>にしか映らないんだろう。
でもそれに<優越感>すら感じてる自分もいる。
これからも大掛かりにひっそりと<私達だけに>その本気を見せて欲しいもんだ。