fujigelge2009-09-07

今週は、先週人の魂を物と入れ替えるアヤカシに寿司に替えられたゴールドが、寿司職人にもかかわらず寿司恐怖症になってさあ大変!
というお話でした。
今回のお話は、新たな助っ人ロボ<ダイゴヨウ登場の巻>ってお話なんですが、<ゴールドが寿司恐怖症になった>と言うお話を軸に、他のメンバーを上手く動かしキャラ立てしてました。
まず、ゴールドが寿司恐怖症になったからみんなで協力してゴールドを助けようと意気込んでたのがグリーン。
グリーンはメンバーの中では軽い性格の現代っ子というキャラなんで、ウザいくらい明るく真っ直ぐで子供っぽい性格のゴールドに「源ちゃん源ちゃん」と気軽に話しかけるくらいグリーンはゴールドに相当な仲間意識を持ってるっていうのをこれで表現してるんですよ。
そんなグリーンが考えた寿司恐怖症克服作戦は、他のメンバーが嫌いなモノを克服する姿をゴールドに見せるというモノでして。
で、ピンクちゃんはこふき芋が嫌いで、イエローちゃんは納豆が嫌いってんで、それを食べる姿をゴールドに見せます。
ここで軽くピンクちゃんとイエローちゃんの嫌いなモノを紹介。
次にいつも厳しい態度で強いレッドさんがお化け屋敷が未だに怖いというワケで、お化け屋敷に入り克服しようとするも出口で失神。
これはだいぶ前の回にレッドさんが子供の頃お化け屋敷に入りションベンをチビったというエピソードがありまして、ここで毎週見てる我々視聴者に
「レッドさんお化け屋敷まだ怖かったんだ?」
と思わせ、過去のエピソードを持ってきてギャグっぽい使い方をしたワケですよ。
で、ブルーはサボテンが嫌いで、サボテンのトゲを指でチョンっと触るだけというしょーもない克服の仕方だったんで全員にスルーされるという真面目だけどウザいと言うキャラでギャグっぽい扱いをされるんです。
ここまでなら良くあるキャラの回し方なんですが、注目すべきは画面端でゴールドが落ち込んでうずくまってるのを嬉しそうに頭をナデナデするピンクちゃん。
ピンクちゃんは人がヘコんでる姿を見ると誰かれ構わず胸がキュンとなる性格なんですが、それを何の説明もなしにフレームに入れてギャグにしてるトコが良かったです。
レッドさんのお化け屋敷のトコとか、ピンクちゃんのこう言うシーンを
「どや!」
っていう感じではなくさりげなく丁寧に入れるのが小林靖子クオリティなワケですよ。
いや、こういうのは基礎でそんなに特別なテクニックではないと言われそうですが、大げさなキャラ立てに走らずこう言うのをちゃんとするって物凄く大事だと私は思ってるのです。
で、今週もう1つ注目すべきポイントは、ゴールドが寿司恐怖症になり、変身も出来なくなった自分の代わりに戦わせるタメにゴールドが作った、岡っ引きが持ってる提灯をモチーフにしたロボ<ダイゴヨウ>に対する
「岡っ引きは侍じゃないから」
というみんなの突っ込み。
これはゴールドがおっちょこちょいという話のオチであると同時に、我々視聴者が思ってる「え?」っていうところをフォローするという小林靖子が良く見せる技です。
これはおそらく新しいおもちゃのデザインを見て小林靖子がそう思ったんでしょう。
前に仮面ライダー電王でもゼロノスが乗ってる電車の形したゼロライナーという乗り物がヘリコプターのように空を飛んだシーンがあったんですが、その時もウラタロスに
「もう電車じゃないよね」
って言わせたり、これも同じくゼロノスがアルタイルフォームからベガフォームに初めてフォームチェンジした時、カッコ悪いくらい胸にデネブの顔があるデザインでして、それに変身した時自らの口で
「最初に言っておく!!胸の顔は飾りだ!!」
と言わせちゃうんですよね。
こう言わせるコトによって我々の「え?」って思ったところがカワイく見えるワケですよ。
今週何気ないお話でしたけど、これだけのテクニックを使ってました。
でも脚本書いてる本人はそんなの意識せずに書いてると思います。(たぶん)
性格がキチンとしてるんでしょうね。
もし自分が脚本家だったとして、侍戦隊なのに次に出てくるロボが岡っ引きの提灯の形してるって知らされたら正直焦るだろうなあ。
意外と長くなったので仮面ライダーW話はまた今度やろうと思います。
以上。