fujigelge2009-12-31

とある路地裏にある、いつも80〜90年代のアイドルの歌が流れる負け犬のホーム・グラウンド、小料理屋<幻魔大戦>にて。



BGM:クリスマスには間に合わせたい/小沢なつき






オレ:「おい女将!!!店を開けやがれ!!!いるのはわかってるんだぞ!!!寒いから早く開けろ!!!このパット・モリタが!!!!」(薄い生地の赤い全身タイツに2008年6月25日に嫁に黙って買ったサイコガン*1を装着した状態で店の扉を叩きながら)


女将:「いやあ!!!世界一会いたくない哺乳類が今年もまた来たわ!!!」(厨房にしゃがみ込んでビクビク震えながら)


オレ:「女将!!!わざわざこの忙しい大晦日に会いに来てやったぜ!!!カジヒデキ風に言うと何枚もドアを叩きつぶしてここへ来たよだ!!!決して寒さのせいじゃないのさ、だって MY BOOM IS YOUだ!!!!!」

女将:「そんな今更な渋谷系気取っても絶対開けるもんですか!!!早く帰ってちょうだい!!!」

オレ:「チッ・・・これだけ言っても開けねぇってのか・・・」

女将:「そうそう、うちに来るのは諦めて早く帰って初詣やらの準備してきなさいよ」

オレ:「なら仕方がない、オレはサイコガンでずっとお前の店を狙ってやる」(店の前でサイコガンを構える)

女将:「え?別にいいわよ。そんなおもちゃのサイコガンお店に向けられてもサイコエネルギーなんか出るワケないし。私は不治さん放っといて寝るからこの寒空の下外でそうやってるが良いわ」

オレ:「本当に良いのか?寒空の中36歳のおっさんがお前の店の前でおもちゃのサイコガン構えてるんだぜ?

女将:「いやあああ!!!!やっぱり気持ち悪いし近所迷惑だから中に入ってぇぇぇぇえええ!!!」(ダッシュで店の扉を開ける)

オレ:「けっ!意気地のねぇ天照大神だぜ。早く開ければ良いモノをよ」

女将:「ま・・・毎年大晦日になると恐怖と憂鬱で気分が悪くなるんで先日精神科に行ったらPTSDって診断されたのよ・・・」

オレ:「PTSDってマチャアキの別れた嫁がなったアレか?」

女将:「そうよ・・・マチャアキの別れた嫁がなったアレよ・・・不治さんは私にとって性的暴行や戦争や拷問みたいなモノなのよ!!!お願い!!!お店に入てあげるから早く不治10大ニュースやら5大ニュースやらを発表してとっとと帰ってちょうだい!!!」

オレ:「ふふふ・・・」(不敵な笑み)

女将:「え・・・?どうしたのよ?折角お店開けてあげたんだから店の前突っ立ってないで入りなさいよ」(厨房でファジーネーブルを作りながら)

オレ:「女将・・・安心しろ。今年は一瞬だ」(鋭い眼光で)

女将:「一瞬・・・?それは一体どう言う意味?」

オレ:「今年・・・2009年はいろいろあった・・・のりピーお塩先生の麻薬所持、著名人の死、そして民主党政権・・・しかし・・・そんなモノは目暗ましに過ぎん・・・」

女将:「目暗まし?」

オレ:「今年オレの中で起こった最もセンセーショナルな出来事は・・・ただ1つ!!!」(葉巻を咥え、女将にサイコガンの銃身を向けて構える)

女将:「い・・・・(みるみる顔色が悪くなる)いやああああああああああああああ!!!!!!やめて不治さん!!!!何だか良くわからないけど物凄く嫌な予感がするわ!!!!凄く聞きたくないわ!!!!!!







オレ:「2009年3月30日・・・・・クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!が放送開始っっ!!!!!!!」(おもちゃのサイコガンからドス黒いサイコエネルギーが発射される)

女将「っ!!!!!!!!!!!!」(凄まじい勢いで女将の顔の横をドス黒いサイコエネルギーがよぎる)




ボカーーーーーーン!!!!!(店の奥が半壊)




オレ:「あばよ。これはファジーネーブル代だ。釣りはいらねぇ。取っときな」(ファジーネーブルの代金としては明らかに足りない100円玉を親指で弾きファジーネーブルの中にチャポンと入れる)

女将:「あわ・・・あわ・・・(膝から崩れ落ちる)不治さん・・・・不治さんも私と同じ心の病を・・・・ロリータ・コンプレックスと言う・・・心の病を・・・」(泣きながら)

オレ:「女将、お前のPTSD早く治るコトを祈ってるぜ・・・オレは・・・この宿命を受け入れる!」(赤い全身タイツの胸を破ると胸の十字架型の古傷から血が!?)

女将:「もう・・・治らないのね・・・」

オレ:「ああ・・・オレは・・・不治だ・・・不治ゲルゲだ」(うつむいたまま女将に背を向けて去る)

女将:「不治さん・・・不治さああああん!!!!」









男はそう言って幻魔大戦を去って行き、女はそれを憐れみの顔で見送るしかなかった。
女はそんな哀れな男が少し愛おしく思えた。
だが、女はそんなコトより、PTSDはお前のせいでなったんじゃねぇかと言うのと、店が半壊したコトの方が気になって気になって仕方がなかったと言う。
以上。