今週は、カーレンジャーの回で登場した怪人ジェラシットがザンギャックに役立たずと言われ粗大ゴミとして町のゴミ置き場に捨てられたが、ゴミを捨てに来たおばさんに
「あんたは生ゴミでしょ?」
と言われ生ゴミに分別される。
そこへ、たこ焼き屋の店主が現れ店主に気に入られたジェラシットはペットとして飼われるコトに。
たこ焼き屋の店主が公園でジェラシットに「お手」や「フリスビーのキャッチ」などの芸を仕込んでいたところにゴーカイジャーたちが現れ、
「それは人権無視だ」
たこ焼き屋の店主に抗議。
そんなコトがあってジェラシットはペットではなく、たこ焼き屋を継ぐコトを決意し、ジェラシットとゴーカイジャーたちは店主の実家まで行って母親に弟子の許可を貰いに行くのだが、その母親というのが冒頭で
「あんたは生ゴミでしょ?」
と分別したおばさんだった。
自ら生ゴミに分別したジェラシットに母親は、
「トイレで手も洗わなさそうな不潔な宇宙人を雇うと保健所がだまっていない!」
と宇宙人に対する偏見をまくしたて猛反対。
そこへ、ザンギャックが送りだした新たな怪人「センデン」が現れゴーカイジャーとジェラシットを攻撃しようとしたところ、レッドに
「今大切な話をしてるんだ。ちょっと待て!」
とスゴまれ、センデンと戦闘員たちは畳に正座して待つコトに。
ジェラシットは母親に生ゴミ扱いされたコトにより、宇宙人初のたこ焼き屋の夢を諦めるが、それを聞いたセンデンは
「宇宙最強のザンギャックが生ゴミ扱いだと!?」
とブチ切れ、母親に攻撃を仕掛ける。
しかしジェラシットはセンデンの攻撃から母親を庇い、重傷を負いながらも母親を助ける。
それを見た母親はジェラシットに惚れ、たこ焼き屋の店主を置いて、ジェラシットと母親は駆け落ちをしてしまう。
2人はどこかの温泉宿で働き、幸せに暮らすのだった。

もう、賢明な方ならお気づきかもしれませんが、今週の脚本は浦沢義雄先生です。
この人のブレのなさは異常。
で、今回浦沢義雄のお話の特徴が顕著に表れていたのが、「なんとも言えない雰囲気のオチの付け方」です。
ピシっ!!っとしたオチじゃなく、「夢を見たあと」のような、不思議な浮遊感とでも言いますか、ラスト付近のBGMにサティのジムノぺディ*1が流れたりで、さっきまで笑ってたのに見終わったあと妙な寂寥感に包まれるんですよね。
浦沢義雄がメインライターを務めた東映不思議コメディ魔法少女シリーズでも良くあった終わり方です。
東映不思議コメディーシリーズを良く知らない若い特撮オタクの方はピンと来ないかもしれませんが、正直、ここまで浦沢ワールドを忠実に再現出来る監督はそうそういないんです。
ネットの人達が今回のお話をどう受け止めたか気になったんで、ちょこちょこ見て回ったんですが、やはり
「全然オチてない」
「微妙・・・」
などの意見が多少ありました。
その意見、<オタクとしては>ぬるいと言わざるを得ない。
それは映画オタクを自称してる人間が
「フランス映画は退屈だ」
の一言で済ますようなモノ!
この辺わかってる人とわかってない人の意見がバックリ分かれてました。
今週の監督は、東映不思議コメディーシリーズを多く手掛け、浦沢義雄ワールドを確立させたと言っていいあの坂本太郎監督なのですよ。
そりゃ忠実なワケです。
これぞ浦沢ワールドという感じで非常に良かったです。
ちょっと前のカーレンジャーの回も坂本太郎監督だったんですが、今週のお話は特に昔のテイストが出てて懐かしさすら覚えました。
この回があっただけでゴーカイジャーの役目は果たしたと言うと過言ではありますが、やっぱり過言です。
浦沢義雄は何も変わっていない。
坂本太郎も何も変わっていない。
変わらないって素晴らしい。
以上。

*1: