fujigelge2012-03-06

どうも、鳥嶋和彦です。
ウソです藤です。
今日は久々に特別企画やります。
今回やるのはジョジョの奇妙な冒険名シーンベスト10です。
私、風呂に入る時ジョジョをずっと読み返す習慣がついてまして、こういうベスト10やってみたくなったんですよ。
もちろん独断と偏見で私が勝手に選ぶベスト10です。
で、今回選ぶのは第1部〜第6部までのジョジョです。
さあ、そんなこんなで早速やってみたいと思います。


第10位は!!


第2部!!「風に帰る戦士」でのワムウとの決着!!!


これはですね、第2部の主人公ジョセフ・ジョースターが、柱の男ワムウとの戦いで死んでいった親友シーザーのバンダナを使ってワムウを倒し、ワムウに「敬意を払う」シーンです。
戦った敵に「敬意」を払ったり「尊敬」したりするというのは荒木飛呂彦先生の後の話で良く出て来るようになるんですが、このワムウがその最初の敵だと思うんですよね。
これはジャンプで読んでた時ちょっと新鮮だったんですよ。
その後仲間になる敵なら兎も角、戦士として敬意を払って殺すんですよ。
その台詞が

そうさ!ワムウ!戦いは戦いで別
シーザーの死の悲しみは悲しみで別・・・
おれもなぜかあんたに対して敬意をはらいたくなったのさ・・・
この血はあんたへの「敬意」なんだ・・・

と言って最後消え逝くワムウに対して敬礼するんですよね。
親友シーザーを殺した男なのに。
それだけこのワムウという男が立派な戦士だったというコトですよ。
あとこの戦いの決着の付け方が<戦車戦>ってのも大きいポイントですね。
ジョセフとワムウが馬車の戦車に乗ってコースをグルグル周りながらいろんな駆け引きを巡らせて戦うっていう戦い方も当時少年漫画では新鮮でした。



では第9位は!!

第5部「偉大なる死(ザ・グレイトフル・デッド)」のプロシュート兄貴とペッシ!!!


これは第5部に登場した敵、プロシュート兄貴と子分のママっ子ペッシのやり取りです。
プロシュートとペッシはパッショーネというギャングに所属してるチームでして、プロシュートは人間を急速に老化させる<グレイトフル・デッド>というスタンド能力を持っていて、ペッシは釣り竿の針を人間の体内に潜り込ませる攻撃ができる<ビーチ・ボーイ>というスタンド能力の持ち主です。
この2人はジョジョたちを殺すためパッショーネから送られた刺客なんですが、このペッシはマザコンでギャングに向いてないくらい気が弱くて臆病なんですよ。
そんなペッシを叱咤するプロシュート兄貴の台詞。

いいか!
オレが怒ってんのはな
てめーの「心の弱さ」なんだペッシ!
そりゃあたしかに「氷」をイキナリぶっ飛ばされたんだ
衝撃を受けるのは当然だ!
自分まで「老化」しちまうんだからな
オレだってヤバイと思う!
だが!
オレたちのチームの他のヤツならッ!
あともうちょっとでノドに食らいつけるって「スタンド」を決して解除したりはしねえッ!
たとえ腕を飛ばされようが脚をもがれようともなッ!
オメーは「ママッ子」なんだよペッシ!
ビビったんだ・・・
甘ったれてんだ!
わかる?
え?オレの言ってる事
「氷」のせいじゃあねぇ
心の奥のところでオメーにはビビりがあんだよ!
「成長」しろ!ペッシ
「成長」しなきゃあオレたちは「栄光」をつかめねえ
ブチャラティたちには勝てねぇ!
そしてハッキリと言っておくぜ
オレたちチームはな!
そこら辺のナンパストリートや仲よしクラブで「ブッ殺す」「ブっ殺す」って大口叩いて仲間と心をなぐさめあってるような負け犬どもとはわけが違うんだからな
「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!
その時スデに行動は終わっているんだッ!(倒れてるミスタのこめかみに銃弾を3発ぶち込む)

この敵も珍しいです。
自分の部下の成長を心底願ってるんです。
普通主人公の敵なら「物凄く悪い奴」にするはずなのに、こいつらは特別悪い奴として描かれてません。
ただ組織からジョルノたちのチームを皆殺しにして来いと命令された組織の追手です。
そんな組織の追手というキャラなのに、この後も妙にキャラの立った台詞が結構続きます。
プロシュート兄貴はこの後、命を懸けてペッシに「ギャングの誇り」を教え、ジョルノの仲間であるブチャラティを絶体絶命まで追い込むまで成長させて死んで逝きます。
プロシュート兄貴が死んだ瞬間、読んでるこっちは
「ああ!!プロシュート兄貴が死んだ!!」
って結構ショック受けるんですよね。
プロシュート兄貴カッコイイわ。



続いて第8位は!!

第2部「太古から来た究極戦士 その5」のジョセフの逃亡!!!



これは第2部の主人公ジョセフのキャラクターを見事に表現した名シーンだと思います。
1部の主人公ジョナサンが優等生的なキャラだったのに対して、2部の主人公ジョセフは不真面目というキャラになったんですが、この不真面目というのは表面的なモノで、心の奥では荒木飛呂彦風に言うと「黄金の魂」を持った男なんですよね。
で、このシーンはエシディシ、ワムウ、カーズという<柱の男>と呼ばれる太古から蘇った男たちにジョセフは戦いを挑むんですが、ワムウにボコボコにやられるんですよ。
そしてこいつらに勝てないと思ったジョセフは死んだフリをして仲間を置いて逃げるんです。
それがこのシーンです。

お・・・おれはもう
呼吸は乱れちまってるしクラッカーヴォレイも破壊されて「波紋」は使えない・・・
さしあたって残るは俺の十八番の策逃げるだけ・・・
逃げるだけしかできないッ!

で、ジョセフは本当に敵であるワムウに気付かれないようにこっそりトロッコに向かって逃げるんですが、そこでこのナレーションが入るんですよ。

なにもない!
見よ!
このブザマなヒーローの姿を
ジョジョは地面をなめながら死んだフリまでして
しかもスピードワゴンを置いてまで逃げ出している!
だが!
だからといってジョジョがこの物語りのヒーローの資格を失いはしない!
なぜなら!・・・


それでジョジョはどうしたかと言うと、トロッコに乗って逃げようとしたジョジョを追ってワムウも一緒にトロッコに乗るんですが、その時ジョジョはワムウにこう言うワケですよ

へへへ
あんたをだますのはほんの10数mでよかったのよ
つまりトロッコまでたどりつけばOKだったのね

で、ワムウは気付くワケですよ

そうか
おまえ・・・
洞窟のふたりを逃がすために卑怯なマネまでして逆におれをさそったなッ!?

つまりジョセフは仲間を逃がすタメに逃げるという囮作戦を企てたんですよ。
ジョセフは「ワムウは戦士タイプの性格」と見抜き卑怯者を嫌う性格と踏んでこの後からもその心理を突いて窮地から逃れるコトに成功するんですが、この心理作戦などもジョセフのキャラが立ってて良いんですよね。
ピンチからの脱出というシーンにジョセフのキャラクターを上手く組み込んでてここは読んでて楽しかったですね。



続いて第7位は!!

第5部「ブローノ・ブチャラティその少年時代」でのブチャラティの組織への絶縁宣言!!!


これは5部の主人公ジョルノ・ジョバーナたちを率いるギャングのリーダーであるブチャラティが、自分たちの所属しているギャング組織パッショーネから抜ける決意をするシーンです。
この話は16ページに渡ってブチャラティの生い立ちを描いてまして、ブチャラティは麻薬を巡って父親がチンピラに襲われブチャラティはそれ以来麻薬を憎むようになるんですが、その後パッショーネというギャング組織に入るも、組織のボスが「禁じ手」である麻薬の売買を始めてるコトに気付くんですよね。
で、ブチャラティはジョルノと出会い、麻薬売買に手を染め自分を裏切ったボスを倒しパッショーネを乗っ取る計画をボスに悟られずに実行するんですが、ボスは再びブチャラティを裏切るんですよ。
それはボスの娘トリッシュの警護をボスに頼まれ、危険を冒してボスの元へと無事にトリッシュを届けたと思いきや、ボスはそのトリッシュを自分手で殺そうとするんですよ。
ボスは自分の残した過去の形跡を消すタメに、自分の手で確実に娘を殺そうとしていたんです。
それを知ったそのブチャラティのシーンがこれです。

吐き気をもよおす「邪悪」とはッ!
なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ・・・!!
自分の利益だけのために利用する事だ・・・
父親がなにも知らぬ「娘」を!!
てめーだけの都合でッ!
ゆるさねえッ!
あんたは今再びッ!
オレの心を「裏切った」ッ!
いた・・・!!(トリッシュを連れ去るボスを見つける)
どうやったかは知らんがやはり塔の下へ・・・!!
トリッシュはまだ生きている
あんたの正体を知るつもりだったが・・・
予定がかわったッ!
あんたを始末する!
今ッ!


やっぱりこれは16ページのブチャラティの生い立ちからのここまでの流れが良いんですよ。
ブチャラティは麻薬のせいで親父や人生をめちゃくちゃにされたんで、信じていたボスに「娘を殺す父親」と「麻薬」と2つの憎悪するモノでブチャラティの心は踏みにじられ怒るんですよね。
このシーンのブチャラティの絶叫はグっときます。




そして第6位は!!

第4部「クレイジー・ダイヤモンドは砕けない その8」の虹村億泰の復活!!!


ジョジョの中でも第4部はかなり好きな方でして、その中でもこのシーンは好きです。
これは、4部の主人公東方仗助と、仗助の住む町杜王町に潜む吉良吉影という殺人鬼との最終決戦です。
4部は杜王町という架空の町を舞台に短編小説のような話が数々あって、それと並行して吉良吉影と言う殺人鬼の存在を知って最終的にそいつ倒すというジョジョでは珍しい構成なんですよね。
で、この4部は楽しい話が結構多いんですよ。
ジャンケンで勝ったら相手のスタンド能力を吸い取れる奴とか、人の持ってる罪悪感を実際の重さとして感じさせるスタンド使いとか、なんでも変身出来る宇宙人が現れたりとか、レストランで美味しい料理を出して食べた人がどんどん健康になるスタンド使いとか、ドブネズミのスタンド使いが現れたから駆除しに行くとかそういう今までみたいに人類の平和を守るとかの話じゃなく、町レベルの怪奇事件と出会うみたいな話が結構あって4部は好きなんですが、その4部の主人公仗助といつもつるんでる親友億泰とのボンクラな日常が特に好きなんですよ。
そんで仗助と億泰は吉良を追い詰めるコトに成功するんですが、仗助の目の前で億泰は吉良の能力によってドテッパラに穴空けられるんですよ。
仗助は自分以外の人の傷を治すコトが出来るスタンド<クレイジー・ダイヤモンド>で億泰の傷を治すんですが動かないんです。
仗助は動かなくなった億泰を安全な場所まで連れて行くんですが、一緒に行動してる小学生の早人に
「億泰さんを(戦いの邪魔だから)置いてください!」
って言われるんですが、仗助は
「億泰とは気が合うんだ・・・おめーにはわかんねーだろうがこいつはオレの友達なんだ・・・」
って言うんですよ。
友達が死にそうな時に「気が合うんだ」ってのがなんか良いんですよね。
距離感として。
で、その後仗助はたった1人で強敵吉良と戦うんですが、吉良のスタンド<キラークィーン>の能力<空気爆弾>が目の前に迫り満身創痍で身動きが取れない仗助は絶体絶命のピンチになるんですが、そこに億泰のスタンド<ザ・ハンド>の手が空気爆弾を消し去り仗助を助けるんですよ。
そのシーンがこれです。

いっつもよォー
不思議に思うんだぜ〜〜〜
オレのこの「ザ・ハンド」の「右手」でよォ〜〜〜けずりとったモノはいったいどこへ行っちまうんだろう?
ってなあ〜〜〜っ
まっ!オレ頭悪いから深く考えると頭痛おきるけどよォ〜〜っ

そしてそれを見た仗助が泣きながら

かましい!
生きてんならさっさと目を覚ませ〜〜〜コラ〜〜〜ッ!!

ですよ。
ここへ来てまだボンクラな感じなのが良いんです。
で、読んでるこっちも
「あ!!!億泰が生きてた!!!」
って嬉しくなるんですよね。
普通の少年漫画なら
「ほら、やっぱり生きてた」
ってなるトコなんですが、ジョジョの展開でこういうのは非常に珍しいんですよ。
動かなくなったキャラはどんなに人気のあるキャラであっても死にますから。
なのでジョジョの中でも珍しいこの復活シーンが大好きですね。
そのレアなシーンが億泰ってのがまた良いんですよ。




そして第5位は!!!

第6部「メイド・イン・ヘブン その9」のプッチ神父の覚悟!!!


これは読んでない人に説明するの凄く難しいですね。
簡単に言うと、プッチ神父は所謂ラスボスになる存在で、主人公の徐倫(ジョリーン)はこのプッチ神父を倒すってのが目的なワケですよ。
で、このプッチ神父の目的ってのが物凄く荘大でして、「人類の幸福」が目的なんです。
この「人類の幸福」というのはどう言うコトかと言うと、スタンドの能力で時間を超加速させ、人類を一旦滅亡させるんです。
そして別の宇宙を誕生させ、「人類に運命を覚悟させる」のがプッチ神父の最終的な目的なんです。
言ってる意味わかりますかね?
物凄く簡単に言うとゲームを初見でプレイすると難しいですよね?
でも1回クリアすると2週目ってワリと簡単じゃないですか?
どんな謎も罠も難しいアクションも1回クリアして経験したからあとは思い出すだけじゃないですか?
つまりは人類の未来を全部クリアして、人類に2週目の運命を体験させるのがプッチ神父の目的なんですよ。
で、結局プッチ神父はこの最終目的をほぼ達成してしまうんですよ。
主人公の徐倫は1週目の人類滅亡を阻止出来ないんです。
デビルマンの最終回に近い読後感を残す第6部ストーンオーシャン
そんな第6部ですが、この辺から荒木先生の人生観が結構出て来ておもしろいんですよね。
私も「運命」って良く考えたりするんですが、荒木先生の思う運命の考え方に凄く共感できて読んでておもしろかったです。
あと6部のおもしろいところはこのプッチ神父というキャラクターですね。
プッチ神父ってそんなに悪い人じゃないんですよ。
これがおもしろいんです。
自分の利益のタメに動いてないんです。
本当に人類の幸福を願ってるんです。
ここがこの人の「悪いところ」なんです。
大きなお世話ですから。
徐倫たちはこのプッチ神父の大きなお世話を阻止するタメに戦うのです。
そんなプッチ神父は「一巡した世界」の目的をほぼ達成させます。
そして徐倫の助けによって新たな世界でただ1人過去の記憶を持ったまま生き残ったエンポリオという少年に説く<プッチ神父の覚悟>がこれです。

未来を一巡して「新しい宇宙」が始まったッ!
運命も同じように繰り返されるッ!
人の出会いとは「重力」であり出会うべくして出会うものだからだッ!
そして人類は未来の全てを体験してこの世界へ到達した!
たとえば5年後の未来何が起こるか?
人類全員がそれを知っている
「加速した時」の旅で自分がいつ事故にあいいつ病気になりいつ寿命が尽きるのか?
すでに体験してここに来た
人といつ出会い・・・そして別れるか?
戦争がいつ起こり時代がいつ変わるのか?
自分が誰を愛し誰を憎むのか?
自分はいつ子供を産み、子はどんな成長をするのか?
誰が犯罪を犯し誰が発明や芸術を生むのか?
頭脳や肉体ではなく精神がそれを体験して覚えて知っているのだ!
そしてそれこそ「幸福」であるッ!
独りではなく全員が未来を「覚悟」できるからだッ!
「覚悟した者」は「幸福」であるッ!
悪い出来事の未来も知る事は「絶望」と思うだろうが逆だッ!
明日死ぬとわかっていても「覚悟」があるから幸福なんだッ!
「覚悟」は「絶望」を吹き飛ばすからだッ!
人類はこれで変わるッ!
これがわたしの求めたものッ!
メイド・イン・ヘブン」だッ!

いや・・・これ運命ってのを考えさせられる良いシーンなんですよ?
マジで。
ここでクライマックスを迎え、次の話が最終話でして、そのラストシーンが泣ける・・・。
ジョジョで泣いたのは6部のラストシーンと1位のやつだけですね。
あとアニメのガン×ソードのラスボスもこのプッチ神父に似てて良かったですね。
あのキャラ絶対プッチ神父がモデルだろうな。
最後まで自分のキャラクターを崩さない悪役は良いもんです。



そして第4位は!!

第3部「DIOの世界 その7」の花京院典明最後の戦い!!!



これは、第3部の敵ディオとの最終決戦あたりのシーンです。
3部の主人公空条承太郎の仲間、花京院典明がディオのスタンド能力の謎を探ろうとするシーンです。
花京院は<法皇の緑(ハイエロファントグリーン)>というスタンド能力を持ち、ディオに「肉の芽」というモノを頭に埋め込まれディオに洗脳されていたところを承太郎に助けられた高校生です。
花京院はそんな承太郎や仲間をとても大事に想っているんですが、その想いとディオを倒す決意が絡まって凄く良いシーンだと思ってるのがこれです。


花京院典明は自分のこのハイエロファントグリーンを見る時いつも思い出す。


小学校教師:「花京院さんお宅の典明くんは友達をまったく作ろうとしません。そう、嫌われているというよりまったく人とうちとけようとしないのです。担任教師として心配です。」

母:「それが・・・恥ずかしいことですが・・・親であるわたしにも・・・なにが原因なのか・・・」


子供の時から思っていた。
町に住んでいるとそれはたくさんの人と出会う。
しかし普通の人たちは一生で真に気持ちがかよい合う人がいったい何人いるのだろうか・・・?
小学校のクラスの○○くんのアドレス帳は友人の名前と電話番号でいっぱいだ。
50人くらいはいるのだろうか?100人ぐらいだろうか?
母には父がいる。
父には母がいる。
自分はちがう。
TVに出ているロックスターはきっと何万人といるんだろうな。
自分はちがう。
自分にはきっと一生誰ひとりとしてあらわれないだろう。
なぜなら、このハイエロファントグリーンが見える友達は誰もいないのだから・・・
見えない人間と真に気持ちがかようはずがない。
ジョースターさん
承太郎
ポルナレフ
アヴドゥルに出会うまで
ずっとそう思っていた。
アヴドゥルとイギーのことを考えると背中に鳥肌が立つのはなぜだろう。
それは、目的が一致した初めての仲間だったからだ。
ディオを倒すというこの旅!
数十日の間だったが気持ちがかよい合っていた仲間だったからだ。




花京院典明は「ハイエロファントグリーン」を見て考える!
こいつを昔のように誰にも気づかせなくしてやる
そう!
ディオの正体をあばき
倒すため完璧に気配を消してやろう。


これは何もスタンド使い同士の話じゃないと思うんですよ。
それは「笑いのセンス」や「音楽の趣味」に置き換えたって良いと思うんですよ。
みんな同じような笑いのセンスや音楽の趣味の中で、少数派の人間は誰だって花京院典明と同じなんですよ!
特撮好きなんて趣味なんかほとんど<スタンド使い>と言っていいです。
少数派のセンスや趣味なんて誰にもスタンドが見えてないのと同じコトですよ。
学校で気配を消してる奴なんてみんなこの花京院典明と同じ気持ちなんですよ。
「見えない人間と真に気持ちがかようはずがない。」
学校で気配を消してた私なんかもこの台詞はグっと来る。
そして花京院はこの後ディオのスタンド能力が「時を止める」能力というのをつきとめ、ジョセフに最後のメッセージを残しその謎を教えたあと死んで逝くんですよ。
切ない。



そして第3位は!!

第5部「今にも落ちてきそうな空の下で」のアバッキオの最後のメッセージ!!!!


これは5部のギャング団パッショーネのボス、ディアボロの正体をアバッキオが命を懸けてつきとめるシーンです。

まずアバッキオの生い立ちはというと、彼は正義感の強い誠実な男でその性分からか警官になるんですが、同じ警官仲間が賄賂を貰ったり犯罪者は悪いコトをしても保釈金さえ払えばすぐに出て来れる事実を散々目の当たりにし、真面目にやってるのは自分1人でバカバカしくなり、ある日アバッキオはポン引きをしていた男から賄賂を受け取るんです。
そんなある日、強盗の通報があって同僚の警官と一緒に現場に行くと、強盗犯はアバッキオに賄賂を渡したポン引きで、ポン引きは
「オレを逮捕したらあんたがオレから賄賂を受け取ってる事もバレちまうんだぜ?」
と言いアバッキオを脅し、怯んだアバッキオに見えないように、隠し持っていた銃に手をかけた瞬間それに気付いた同僚の警官はアバッキオを庇いポン引きの銃弾で死んでしまうんですよ。
その事件からアバッキオはギャングにまで身を落とすんですよ。
で、アバッキオブチャラティと一緒にパッショーネを裏切るコトになりギャングのボスであるディアボロの正体を突き止め抹殺しようとするんですが、ディアボロは自分の形跡を一切消しており、組織の人間でさえ誰も顔も本名も何もわからない謎の男。
アバッキオは自分のスタンド<ムーディー・ブルース>の再生能力でその正体をつきとめようとするんです。
アバッキオムーディー・ブルースは、ある場所で起こった人の行動をその人物に変身してビデオやDVDのように再生、巻き戻しなどが出来る能力です。
アバッキオディアボロが昔滞在していたイタリアのサルディニア島ディアボロが残した形跡を再生している最中にディアボロに殺されます。
しかし、アバッキオは最後の力を振り絞ってムーディー・ブルースの能力でディアボロの顔を再生し、その顔を地面に押しつけてデスマスクにして仲間のタメに「ボスの顔」を残すんですよ。
ディアボロに攻撃され瀕死の状態でグッタリしたアバッキオは夢を見ます。
それはオープンカフェで食事している夢で、食事しているアバッキオの隣で警官がビン捨て場でガラスの破片をカチャカチャと何か探してるのをアバッキオはジッと見て、不思議に思ったアバッキオはその警官に何をしてるのか尋ねます。
すると警官は、この辺で強盗事件が発生して凶器で使って割れたビンがこの辺に紛れ込んでるかもしれないから捜していると言うんです。
その時のアバッキオと警官の会話シーンがこれです。

警官:「とくに、こう、握る部分がね・・・犯人がここに何か捨てたっていうんでこのビン捨て場にあると思ってね・・・「指紋」がとれるはずなんだよ・・・その部分を捜しているんだ」



アバ:「そんな中から捜す気かい?」



警官:「仕事だからね」



アバ:「ああ・・・その・・・なんだ・・・」



警官:「なにか?」



アバ:「いや・・・その参考までに聞きたいんだが、ちょっとした個人的な好奇心なんだが。もし見つからなかったらどうするんだい?「指紋」なんてとれないかも・・・いや・・・それよりも見つけたとして犯人がずる賢い弁護士とかつけて無罪になったとしたらあんたはどう思って・・・・そんな苦労をしょいこんでいるんだ?」




警官:「そうだな・・・わたしは「結果」だけを求めてはいない。結果だけを求めていると人は近道をしたがるものだ・・・近道をした時、真実を見失うかもしれない。やる気もしだいに失せていく。大切なのは「真実に向かおうとする意志」だと思っている。向かおうとする意志さえあればたとえ今回は犯人が逃げたとしても、いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな・・・・・違うかい?」



アバ:「うらやましいな・・・以前オレは警官になりたいと思っていた・・・子供のころからずっと・・・りっぱな警官に・・・・なりたかったんだ・・・・かつてあんたのような「意志」をいだいていた事もあった・・・・でもだめにしちまった・・・・オレって人間はな・・・・・くだらない男さ。なんだって途中で終わっちまう。いつだって途中でだめになっちまう・・・・・」



警官:「そんな事はないよ・・・・アバッキオ



アバ:「え?・・・・・・・・・・・」


警官:「おまえはりっぱにやってるじゃあないか・・・・・「意志」は同じだ・・・・・おまえが警官になったばかりの時いだいていたその「意志」は・・・・・今・・・・おまえのその心の中に再び戻っているのだよ・・・・アバッキオ



アバ:「なんでオレの名を・・・・・・知っているんだ?・・・・・?・・・・・・そういや・・・あんた・・・前にどこかで会った事が・・・・・ある」



警官:「どこに行くんだアバッキオ?」



アバ:「あのバスに乗るんだ・・・・思い出してきた・・・・そうだ!!もう行かなくては・・・・オレは仲間のところに戻らなくては・・・!!」



警官:「忘れたのかアバッキオ!?おまえはあれに乗ってここに来たのだ。ここは終点なんだ・・・・もう・・・・戻る事はできない」



アバ:「あ・・・・あんたは・・・・!!そうだ!!あんたは!!あんたはオレがワイロを受け取ったせいで撃たれて殉職した・・・・・・!!」



警官:「アバッキオ・・・・おまえはりっぱにやったのだよ・・・・そう・・・・わたしが誇りに思うくらいりっぱにね・・・・」


そしてアバッキオは息を引き取るんですが、ここはやっぱりアバッキオのスタンド<ムーディー・ブルース>の「過程を追う能力」と、ボスであるディアボロのスタンド<キングクリムゾン>の「時間をぶっ飛ばして結果だけを残す能力」の対比が話に上手く絡んでいるところがグッと来るんですよ。
アバッキオは地道な捜査で仲間にボスの正体のメッセージを残して死んでいったんですが、最後にこの警官の言葉に救われるんですよねえ。
花京院の死にも似てますが、オレこういうシーンに弱いな。
ジョジョ屈指の名シーンだと思います。



そして第2位は!!

第6部「AWAKEN-目覚め その1」のフー・ファイターズ自我の目覚め!!!!


これは第6部の主人公空条徐倫の仲間フー・ファイターズ(通称:F.F)が全ての事件の元凶がプッチ神父だったコトに気付くシーンです。
F.Fはプッチ神父スタンド能力によって操られているプランクトンなんです。
プランクトンが人間の女の中に入って見た目も中身も人間のようになっていったんですが、最初はプッチ神父の隠し持ってる承太郎のディスクを守る「番人」をするタメだけの生き物だったんですよ。
その後、承太郎のディスクを奪いに来た徐倫と話、戦い、そして打ち解けF.Fと徐倫は仲間になったんですが、最強の敵プッチ神父とF.Fが直接対決する時にF.Fが覚悟を決めるシーンがこれです。

F.Fが最も恐れる事・・・・
それは自分の「知性」が消失する事であった
空条徐倫と農場で出会ってからは・・・その後の事はなんでも全て覚えている・・・・・刑務所の公衆電話のラクガキだとか、ベッドの毛布やゴミのにおい
扉の音やトイレの音・・・・徐倫たちと世間話をし・・・・足の指の形が変だといって笑った事・・・全て記憶している・・・・・
だが農場以前のことは・・・・ただ命令に従い・・・理由も知らないままホワイトスネイクプッチ神父のスタンドの名前)のディスクをひたすら守る・・・・それしか「記憶」にない・・・・
あの場所で何年間も「ディスク」を守り生活したはずなのに・・・・・ある記憶はただそれだけだ・・・・・
機械のような記憶
生きるという事はきっと「思い出」を作る事なのだ・・・・
F.Fはそう思っていた
それを失うこと・・・・それだけが怖い
空条徐倫が父親のために行動し・・・・エルメェスとか信頼する者のために命を懸けて行動しているのは・・・・きっといい「思い出」が彼女(徐倫)の中にあるためなのだ
それが人間のエネルギーなのだ
「思い出」が細胞に勇気を与えてくれるのは間違いない
農場以前のフー・ファイターズにはなかった感覚だ
今はある!
それが「知性」なのだ!
F,Fはそう悟っていた。

ただのプランクトンが「思い出」と「知性」を手に入れたという話なんですが、私こういう話も弱いんですよね。
ロボットが人間の感情を覚えるとかそんなやつ。
人間ですらここまで考える人あんまりいないのに、プランクトンがここまで考えるんですよ?
グッときますね。
「思い出」が生きるエネルギーになるって話、仮面ライダー電王でもありましたね。
ああいうの説得力あるなあ。
結局死ぬのが怖いってそういうコトでしょ?
動かなくなるとかそういう事じゃなくて、思い出をもう作れなくなる恐怖ですよ。
そういうのを人間じゃなくて機械とかプランクトンが理解するところがいいんですよ。
結局F.Fはプッチ神父に殺されて死んでしまうんですが、その時の台詞もグッと来るんですよ。

F.F:「あたしを見て徐倫。これがあたしの「魂」・・・・これがあたしの「知性」・・・」


徐倫:「あの神父からあんたのディスクを必ず取り戻すッ!「フー・ファイターズ」のディスクをよッ!そうすれば蘇れるッ!!」



F.F:「それはきっと別のフー・ファイターズ。あたしじゃあないと思う。これがあたしなの。さよならを言うあたしなのよ。最後にさよならを言えて良かった・・・徐倫。これでいい徐倫。これで・・・いいのよ。

プッチ神父の新しいディスクで生き返らせても、徐倫との思い出がない状態で生き返ってもそれでは意味がないんですよね。
F.Fの中に徐倫との思い出がない生き物は別の生き物ですよ。
大好きなシーンです。






そして第1位は!!!!

第5部「キング・クリムゾンの謎 その6」ナランチャの痛み!!!!!!




これは第5部の主人公ジョルノ・ジョバーナの仲間ナランチャ・ギルガという頭の悪い少年の話です。
ナランチャは親からまったく関心を受けずに育ち、信じた仲間にも裏切られ、そんなナランチャを拾い上げギャングに入れたのがブチャラティなんですよね。
ナランチャはそんなブチャラティに恩義を感じていて、ブチャラティの言葉ならなんでも聞く男なんですよ。
そして、第7位でも紹介した話でブチャラティは組織を裏切るんですが、その時ブチャラティは仲間のジョルノ、アバッキオフーゴ、ミスタ、ナランチャの5人にこう言うんですよ。

ボスは自らの手で自分の娘を始末するためにオレたちに彼女の護衛をさせた・・・・・
トリッシュには血のつながるボスの「正体」がわかるからだ
それを知ってオレは許す事ができなかった
そんな事を見ぬふりをして帰ってくる事はできなかった
だから「裏切っ」たッ!
助けが必要だ・・・・ともに来る者がいるのなら・・・・この階段を降りボートに乗ってくれ
ただしオレはおまえたちについて来いと「命令」はしない・・・・・いっしょに来てくれと「願う」事もしない・・・・・オレが勝手にやった事だからな・・・・
だからオレに義理なんぞを感じる必要もない
だがひとつだけ偉そうな事を言わせてもらう
オレは「正しい」と思ったからやったんだ
後悔はない・・・・
こんな世界とはいえオレは自分の「信じられる道」を歩いていたい!

この言葉を聞いてジョルノ以外のメンバーはボスを裏切る恐怖に怯え萎縮するんですが、アバッキオとミスタはボートに乗るコトを選ぶんですよ。
それを見た冷静沈着なフーゴは馬鹿げてると言い船に乗らないんですが、横でナランチャはガタガタ震えるんですよ。
ナランチャブチャラティ
「命令してくれよ!「いっしょに来い!」って命令してくれるのならそうすりゃあ勇気がわいてくる」
と言うんですが、ブチャラティ
「だめだ・・・・こればかりは命令できない!おまえが決めるんだ・・・自分の「歩く道」は・・・・自分で決めるんだ・・・」
と言って突き放すんですよ。
そしてボートはフーゴナランチャを置いて出発するんですが、その走り出したボートから出たボスの娘トリッシュの傷付いて血が出た腕を見てナランチャが言うんです。

トリッシュは・・・信じる人に見捨てられた・・・・見捨てられた・・・・父さんからも・・・・信じていた友達からも・・・・見捨てられた・・・・・同じだ・・・・トリッシュと「オレ」は、なんか・・・「似てる」・・・・

そして、島から離れて行くボートでジョルノは気づくんです。
ボートを追いかけて泳いで来るナランチャの姿に。
それがこのシーンです

ブチャラティィィィィィィィィィ行くよッ!オレも行くッ!行くんだよォーーーーーーーーーーッ!!オレに「来るな」と命令しないでくれーーーーーーッ!トリッシュはオレなんだッ!オレだッ!トリッシュの腕のキズはオレのキズだ!!

これも説得力ありますね。
アバッキオは元々どこにも居場所がない男、ミスタはブチャラティは賢い人間だからボスの隠し財産を知ってるに違いないという理由でついて行くんですが、ナランチャブチャラティの命令しか聞かないんですよね。
でもそのブチャラティが命令出来ない状況で、ナランチャの生い立ちが効いて来るんですよ。
それが「トリッシュの腕のキズはオレのキズだ!」という台詞に繋がるんですが、これは心をワシ掴みにされましたね。
漫画の絵もここ良いシーンなんだよなあ・・・。
これがオレが選ぶジョジョ名シーンの1位だ!!!
文句あるか!!!

というワケで、ジョジョ名シーンベスト10でした。
ジョジョでは4部が1番好きなんですけど、良いシーンや名台詞は5部とか6部が多いよなあ。
そりゃ後半になると作者の人生観引っ張り出さないといけなくなるんで必然的にそうなると思ってます。
いやー、ジョジョって良いモンですね。(水野晴郎フェイスで)
以上。