漫画太郎という人

この人の本何冊か持っているんだが、コノ人って何がおもしろいのかなかなか説明できない人だ。いやマジで。
コノ人の描くものにはバカに満ちている。ギャグ漫画だから全然OKなんだが、ネタの技巧というものがどの作品にも微塵も感じられないものばかりだ。あるとすれば
<天丼>(同じコトを2度する笑い)
<逆ギレして殴る>
<うんこ>
<はうあ!?>(作品に何度も出る驚きの声)
<えーーーー!?>(あるボケに対して1ページつかう驚きの声)
ほぼこれだけで構成されている。じゃあその漫画おもしろくないのかというと、おもしろかったりするのだ。
で、ここからは漫画太郎についての私の勝手な感想だが、もしかすると彼は技巧なんてカッコ悪いと思ってるのではないか?というコトだ。
ボケと言うのはバカだ。そのボケ(バカ)にここぞという突っ込みが入ると笑いになってそのバカは救われる。だが彼のボケの人は、逆ギレして相手を殴り、突っ込ませない。突っ込みの人もボケた相手に向かって思いっきり困った表情で「えーーーーー!!?」と言うだけだ。
つまり前者が突っ込みという技巧で<使える>バカになり、見ている方も作者は正常な人だと<安心>して見てられる。だが後者の彼の場合ボケはただの<救えないバカ>になる。見る人が見れば<コノ作者は頭がおかしいんじゃないか?>と不安になるだろう。
しかし彼の作品からは、「元来バカは不安なものだ」と言っているように見える。つまりボケて突っ込むということは、彼からすると「そのバカは作られたバカだろ?」と同業者を見透かしているように見える。もっと言えば「オレはもっと<純粋>なバカを<作る>コトができるんだぜ?」という感じだ。
といっても、あくまでこれは私の単なる感想だ。
でもこれ以上作品から放つバカを説明できない。もしかしたらホントにバカかもしれない・・・(そう思わせるトコが凄くてカッコイイんだ)
まあ長々書いたが、漫画太郎は一流のバカアーティストだという事実は変わらない。