fujigelge2004-06-27

ベッドで寝ている女の子:「おばあちゃん。今日はどんなお話してくれるの?」

ユリ椅子で編み物をしているおばあちゃん:「そうだねぇ・・・じゃあ今日は<プロレスの星アステカイザーのあらすじ>の話をしようかねぇ?」

ベッドで寝ている女の子:「わあ!!聞かせて聞かせて!!」



物語にはあらすじというものがある。
「おもしろいストーリーはあらすじレベルでおもしろくないといけない」
と、誰かが言っていた。
確かにそうかもしれない。
いいストーリーはあらすじだけでもグッとくるものだ。
では、まずドラえもんを例にあげてみよう。

「場所は<23世紀の未来>。セワシ君という男の子が、今幸せじゃないのは先祖の<のび太>がダメなせいだと思い、セワシ君が家で飼っている(?)<便利な道具をナンでも出せる、4次元ポケット>というモノを付けた<耳のないネコ型ロボットドラえもん>を、<タイムマシーン>で先祖の<のび太>に託し、今いる未来を変えようと思ったのだ。だが、<のび太ドラえもんの想像を超えるダメ人間>。ドラえもんは4次元ポケットの道具を使い、のび太をちゃんとした大人に更生させることができるのか?」

と言うのがご存知のドラえもんのあらすじである。
うん。おもしろい。
コレだけで、
<未来>
<4次元ポケットの道具>
<タイムマシーン>
<耳のないネコ型ロボットドラえもん
<ダメ人間のびたの更生>
広がりのある楽しいアイディアだ。長寿番組もうなずけるものだ。
だが、これは<おもしろいあらすじ>なのだが、世の中には<笑えるあらすじ>と言うモノもある。
この二つ意味は似ているようだが、全然違うものだ。
では何が違うのか?
では一つ<プロレスの星アステカイザー>という特撮ヒーローもののあらすじを例に挙げて検証してみよう。

「プロレス世界チャンピオンであった鷹羽大二郎は、<マット界の征服を企むブラック・ミスト>によって<リング上で抹殺された>。大二郎の弟鷹羽俊は、速水博士によって古代アステカの格闘士の印、アステカの星と、<アスティック樹脂で作られた強化服>を与えられ<正義のレスラーアステカイザーに変身。>俊は速水博士が作った<訓練用ロボットゴリキング>と特訓を続けながら、次々と人気レスラーを襲うブラック・ミストの<サイボーグレスラーを>、必殺のカイザー・クラッシャーで打ち倒す。」

・・・・・・えー・・・何から話そうか?
マット界の征服?
征服したらなんか良い事でもあるんだろうか?
いや!ある!あるに違いない!あるんだ!
リング上で抹殺?
・・・と・・・時に闘いとはそういう一面もはらんでいるものだ!!
アスティック樹脂?
分からんが、とても良い樹脂なんだろう。
正義のレスラー?
いるんだろう。正義のスイマーとか、正義のゴルファーとかもいるに違いない。
っていうか、アスティック樹脂の強化服着て戦うのは正義っていうかルールに反してないのだろうか?
いや!相手が悪だからいいんだ!
いいんだ!
訓練用ロボットゴリキング?
兄が殺されたとは言え<ゴリキング>って名前の奴と訓練すんのヤだなあ・・・。
いや!死んだ兄のためなら<ゴリキング>だろうが<ブタゴリラ>だろうが相手してやる!
サイボーグレスラー?
・・・その科学力あったら私なら<マット界>なんて征服したくねぇなぁ・・・。
いや!<マット界>には私が考える以上の<なんかいいもの>があるに違いない!
そのなんかは20分考えても<浮かばなかった>が。
恐るべしアステカイザー。
流石第1話で日本マット界代表として<アントニオ猪木>をゲスト出演させたのはだてじゃない。
もうすでに<笑わせる気満々>だ。
<おもしろいあらすじ>と<笑えるあらすじ>の違いを理解出来ただろうか?
この作品、あらすじだけで充分笑えるんだが、実は本編を観るとその6倍腹がよじれる。
この作品驚くなかれ、肝心の闘うシーンに入ると特撮技術ほっぱらかして、なんと何故か<アニメ>になるのだ。
「じゃあアニメ作品にしろよ!」
って当時のちびっこが言ったかどうかは定かではない。(私は言ってたけど)
コレDVDになってんのかは知らないが、見つけたら見るべきだ。
だが、見たその日から<何もしたくなくなる>という副作用もある。
気をつけて見るべし。
ビバ!!!アステカイザー!!!

写真左:若き日のアントニオ猪木
  右:アステカイザー氏