人間の証明

fujigelge2004-08-31

なんか今度ゲームで<どろろ>が出るみたいだな。
どろろ>って何かというと、漫画の神様、かの<手塚治虫>先生の作品のコトですよ。それのゲーム化ってやつだな。
イメージイラストが、<無限の住人>でお馴染みの<沙村広明>氏。いやー。カッコいいわ。
私自慢じゃないが、手塚作品ってほとんど読んだコトない。読んだの<ブラック・ジャック>ぐらいか?理由としては、かったるいって言うのもある。
なんかグッとこないんだなあ。
でもこの<どろろ>は別。かなり好きな方だ。
だってあらすじが良い。

自分の身体を妖怪に全て奪われ。その身体を取り戻す為に旅に出る<百鬼丸>。

っていうあらすじ。もうこの時点でグッとくる。
で、手塚先生がこのネタ思いついた経緯は本人によると、
「当時<ゲゲゲの鬼太郎>が流行ってたじゃない?だから<妖怪モノ>描いてみようと思ったの。」
だって。(因みに手塚治虫水木しげる犬猿の仲)
とても<軽い>思いつきだ。
で、この<どろろ>っての<40幾つのパーツ(正確な数忘れた)>を取り返さないといけないっていう設定なんだけど、途中で打ち切りになっちゃうのよ。人気なくて。
ほんでなんかのインタビューで、もし人気が続いてたら40幾つの身体を取り返したら終わっていたんですか?っていう質問に、
「いやあ。人気があったらつじつま合わせて100でも200でも<幾らでも>妖怪出しましたよ。」
って言ってた。
大先生の軽い発言に少し驚いたもんだ。
「そんなもんなんだあ!!」
って。その後<ドラゴンボール>読んで、
「ああ。なるほど」
って思ったけど。
しかしこう言う<ダーク・ヒーロー>ってカッコいいな。私の<おかん>によると私が幼い頃に好きだったアニメが<妖怪人間べム>だったらしいからな。それ聞いて
「筋金入りじゃん!」
ってその話聞いて改めて自分のコト褒めたよ。
実際最近まで<アニマックス>でやってた<妖怪人間べム>今見たら<全部内容覚えてた>もんな。そんで今みてもおもろいわ。名作。
でも私が1番好きなダーク・ヒーローは月並みだけど<人造人間キカイダー>に出てきたキカイダーのライバル<ハカイダー>。もう最高。
この<ハカイダー>、キカイダーを倒す為だけに生まれたロボットって言う設定。
その目的を持っている故に自分以外の奴に<キカイダー>を襲うコトは許さない。なんだったら<助け>たりする。
「お前を倒すのはこの俺だ。」
って。今こんなの結構いるキャラだが、当時は新鮮だったな。<風雲ライオン丸>の<ジャガーマン>もこんな奴だったような気がする。
このハカイダー何がカッコいいかって、キャラデザインもさるコトながら乗ってるバイクの名前もイカス。だって
白いカラス
って言うんですよ?そう言やこの前洋画で同じタイトルの映画やってたな。すぐ<ハカイダー>思い出したよ。
このハカイダー最後は自分の味方だった悪の組織に殺されるんだけど、その死に方もカッコいい。
<悪の組織(シャドーだったか?)>はキカイダーをとうとう殺してしまうコトに成功する。しかし、ハカイダーは<自分以外の奴>にキカイダーを始末されたコトに怒りを覚える。そこでハカイダーはその敵に勝負を挑むのだが返り討ちにあうのだ。
そこで一命を取り留めていたキカイダーに抱きかかえられ、ハカイダーはこう言う。
「・・・・・・お・・・・・・お前に倒されたかったぜ・・・・・」
渋い!!渋いぜハカイダー!!この作品は悲劇がたくさん盛り込まれてて、私的にはマイフェイバリットと言って良い作品だ。
因みにコレはテレビ版の<人造人間キカイダー>の話なんだけど、漫画版になるとこのハカイダー、ラスボスの<プロフェッサー・ギル>の脳みそ移植されて凄く悪い奴のまま<キカイダー>に殺される。
ちょっと乗ってきたので<漫画版:人造人間キカイダー>のあらすじを紹介したいと思う。

このキカイダーという作品のモチーフは童話の<ピノキオ>からきている。
キカイダーの生みの親<光明寺博士>は過去に公害問題について調査していた1人息子<一郎>がいた。しかし<一郎>はその公害調査をしていた大企業の<世間に見られてはマズイ資料>を手にし、その企業に暗殺される。
その事実を知り怒りに怒った博士は、<絶対に殺されることのない>人型公害調査ロボット<キカイダーこと一郎そっくりのジロー>の開発に成功する。
しかし、それを知った企業はこの<キカイダーの破壊>の為に研究所を襲うのだ。
それによって博士は殺され、<まだ完全ではないジロー>は自分が何者なのか分からぬまま研究所を1人離れる。
この<ジロー>何が完全ではないかと言うと、<良いコトと悪いコトの区別がつかない>という欠陥があったのだ。

これがこの話の最初のあらすじ。で、どこがピノキオをモチーフにしている作品かと言うと<良いコトと悪いコトの区別がつかない>というのと、この作品の肝になってくる<ジェミニィ>と呼ばれる<良心回路>という装置の存在だ。
この<ジェミニィ>はピノキオに出てくる<コオロギ>の名と同じなのである。
この装置の機能は<生き物を絶対に殺してはならない>と言うプログラムを施されてある。そして<悪いコト>をしようとすれば<ジロー>は<苦しく>なってしまうのだ。
そして<ジロー>は<良いコト悪いコト>というのが分からずに<苦しむ>コトとなるのである。
キカイダー>というとあの<半分青半分赤で、頭が少しズレている>デザインが有名だが、アレは<良心回路によって苦しむジローの心理状態を表したモノ>という列記とした意味があるのだ。
そんな<悲劇の主人公ジロー>であるが、最後は<ハカイダー>に捕らえられ<服従回路イエッサー>という回路を埋め込まれるのだ。
この<イエッサー>はその名の通り<悪いコトでもなんでも出来る>という装置で、この回路はジローと共に戦ってきた<友人のロボット>にも埋め込まれ、仲間はキカイダーを裏切り、ハカイダーに寝返る。敵を我が物にしたハカイダー
「これで邪魔モノは我が奴隷となった!!世界は我が手に!!」
歓喜する。
しかし、ハカイダーは忘れていた。<ジローの良心回路>を取り除くのを。
ジェミニィ>と<イエッサー>を組み込まれたコトによって、<良いコトの為なら悪い奴を殺せる>ようになり、ジローは<ハカイダー>を殺し、そして洗脳された<仲間を殺す>。
ジローは悪の組織とハカイダーを倒すコトに成功するのだ。
そして<良いコトも悪いコトも>出来るようになったジローの<心>はようやく念願だった<人間の心を持つ>コトが出来たのだ。
が、ジローはこう言う
「・・・・おれはこれで・・・・人間と同じになった・・・・!だがそれと引き換えにおれは・・・・これから永久に<悪>と<良心>の心の戦いに苦しめられるだろう・・・・」
と。
ジローはアジトを出たあとそのコマでとても<悲しい顔>をする。
最後に1ページを使いナレーションが入る。



ピノキオは人間になりました。メデタシメデタシ・・・・だがピノキオは人間になって本当に幸せになれたのだろうか・・・・?」



そしてジローはなにもない荒野の中を寂しげに去っていくのである。


泣けるね。石ノ森。(原作:石ノ森章太郎
テレビ版に比べ漫画版はとてもテーマ性のある内容だった。でもどっちも好きだ。
ちょっと前に出たDVDアニメバージョンの<人造人間キカイダー・ジ・アニメーション>も良かったし。(この作品は漫画版を忠実に再現した作品)
たぶんほとんどの人キカイダーってこんな話だって知らないと思うけど、チェキですよ。奥さん。
あれ?んでなんの話してたっけ?ああ。<どろろ>ね。
そんなコトより<キカイダー>チェキですよ!!!って最後まで話してしまった・・・・。
オレは浜村淳か・・・・。(また行き当たりばったり)