人生は中盤

fujigelge2004-11-21

こんばんは。<海野幸>です。
うそです。藤です。
この間NHKの<人間講座>を見ていた。今回の講師の人は<棋士>の人だった。名前は覚えていないが、<棋聖>のえらい人で、お歳は70歳くらいのおじいちゃん。私結構将棋が好きで、たまにNHKの将棋番組とか見るんで、<棋士>の人の話って興味津々なので見てたワケです。
で、そのトキ私が見たテーマは<デジタルとアナログ>って言うお話。コノ人おじいちゃんだけどネットとかの将棋もやってて、自身のホームページも持っている結構デジタルに関しても寛容なお年寄りなのだ。
そんな御大のデジタルとアナログのお話の出だしに出た例え話が<松本零士>の<銀河鉄道999>。もうコノ時点で私の心を<鷲掴み>にするおじいちゃん。
「えー・・・この作品はアンドロイドのメーテルと言う女性と機械人間になりたい鉄郎という少年の話で・・・」
と言う感じで話出した。要するに<人>と言うアナログな存在が<機械>と言うデジタルな完璧な存在を目標にするのではなく、あくまで<人間の感性>で機械を利用するほうが健康的で幸せなのだ。みたいな話の例題として<999>の話をしていた。
まあ例題としては分かり易いが、それよりも70くらいのおじいちゃんが<メーテルがアンドロイド>だと言うコトを<普通に知っていた>方に驚いた。意外と知らない人多いと思うのに。
そんなこんなで御大は<機械が指す将棋はつまらない>と言う話になる。何故なら機械には指し方に個性が無いからだと言う。そして今度は例題として<スーパーコンピューターとチェス>の対決の話になった。チェスのチャンピオンがスーパーコンピューターに負けたって言うアレ。私はチェスのルールは知らないんだが、どうもチェスは話を要約すると<大きな円を小さくするゲーム>らしい。これは<囲碁>にも言えるコトだと言う。
つまり最初の一手から始め、だんだん指す手が減っていくと言うコトだ。感覚としては<山崩し>みたいなモンか?だからコンピューターの性能を上げればコレ等のゲームはそこそこ人間に勝てるらしい。でも将棋はそうは簡単にはいかないと言う。
しかし御大はそう言いながらチェスと囲碁が将棋に劣ったゲームとは言わないのが大人だった。なにより御大もチェスと囲碁が好きみたいらしいし。この辺にまた好感を持つ。
で、将棋はコンピューターにとって何が難しいのか?と言うと、将棋の醍醐味の<中盤>がコンピューターには骨が折れるらしいのだ。
御大が言うには、将棋には<序盤・中盤・終盤>と言うモノがあり、<序盤>は<王を固め城を守る>コトで、<終盤>は<相手の王を追い詰める>コトだと言う。で、<中盤>と言うのが所謂<相手との攻防>なのだ。つまりコノ<攻防>こそが将棋の醍醐味であり、指し手の個性が出る最も面白い局面なのだ。
そしてこの局面にはハッキリとした<正解>はないと言う。特に序盤と終盤などは機械は有利に進めるコトが出来るようだが、いろんなデータを駆使しようがコノ局面は悪手だの良手などの正解はないと言う。もう<結果>の世界らしい。
御大はコレについて<人生みたいだ>とハッキリした言い方はしなかったが、私は「人生みたいだなあ」なんて思った。
で、さっき言った御大の言葉の<機械が指す将棋はつまらない>と言うのは<機械には人生>が無いからなのだ。コンピュータの<中盤>の棋譜を見ても御大はときめかないと言うようなコトを言っていた。
私も<人生に正解など無い>と思っていたが、御大のお言葉にまたそう思うようになった。
近頃<勝ち組>やら<負け組>と言う言葉を良く聞くが、それはその<局面>がそうなのであって、<結果>は死ぬまで分からない。とても当たり前のコトだが結構忘れがちなコトだ。
コレを見て思った事は、悪手か良手かはそのトキ自分で反省すればいいし、その反省を糧に次の勝負に挑めばいいと言うコトだった。長い人生のウチにいろんな勝負時があるので何度も勝ったり負けたりすればいいのだな。みたいな。
なるべく死に間際にいくらか良手があったのに「アレは悪手だった」と後悔はしたくないものだ。
なんかつまんない話だな。
うんこ!!!
以上。