夜空に光るラッキー7

fujigelge2005-04-24

最近<パーマン2号(ブービー)>のものまねが出来るようになった藤です。
なんか朝起きたトキ、
「ウリュリュルッヒ〜・・・」
って言ったら、パーマン2号に似てたので、少し練習したら出来ました。
これで私のものまねのレパートリーが1つ増えたな。
レパートリーって言っても、ほとんど人に見せたコトなど皆無なんだが。
完全に<自己満足>の世界です。
たまに1人でやって<自分でウケてる>って言う規模のものまね。
みなさんもそう言うの1つや2つあるでしょ?(たぶんねえよ)
で、それらはサビつかないようにたまに練習したりしてな。
マジで無意味なものなんだが。
だって人前でやっても<誰1人分からない>ものばっかだし、人前でやんのなんて恥ずかしくて出来ないってのもあるし。
それに<ものまねするタイミング>なんて普通に生きてたらまあ無いね。
飲み会とかでやっても<シラけるレベル>でつまらないしな。
だって<テレビ東京で放送されてた、WWF*1のアナウンサーと解説の日本語吹き替えの掛け合いのマネ>とか、アニメ<トランスフォーマーのインセクトロンのマネ>とか、<ドラえもんのタイムマシーンの音のマネ>なんかやっても
「シーーーーーーン・・・・・・」
って感じだろうし、やったとしても確実に引かれるのは必至だ。
しかも一生懸命やって
「わからない・・・・・」
とか
「似てない・・・・」
とか
「地味・・・・・・」
なんて言われたら<その場で自決>するね。
ガラスのハートだから。私。
あ。
今またどうでもいい話してるな。
で、話変わるけど、今日びっくりしたのが<ポール牧>の自殺。
スポーツ新聞で見たんだが、なんか切ないねぇ。
特に芸人の自殺ってなんか切ないわ。
桂枝雀>のトキもそうだったけど。
ちょっと今日は他界したポール牧についての思い出話でも1つ。



私は昔<布施>ってトコに良く行って遊んでたんだけど、そこに<更生ショー(こんな字だったっけ?)って言うストリップ小屋があるのよ。
そのストリップ小屋って汚い感じで、結構うらびれたトコにある小さい小屋だ。
布施の商店街の奥って結構そう言う風俗街みたいなのがあるんだけど、そのいろんな店の中でもこのストリップ小屋は割と年期のある建物なのだ。
で、私18歳の頃、その風俗街の近くにある<カツミ>って言う寂れた喫茶店で、高校の友人Fって言うやつと良くダラダラと下らない話をするのが日課だった。
その頃私もFも学校卒業して働いていたんだが、お互い日々煮え切らない毎日をぶっ飛ばすように下らない話ばかりしていた。
そんなある日、仕事が終わった私とFは、相変わらずそのカツミで晩飯食ってダラダラ話してたんだが、良く考えてみるとその日は私の19歳の誕生日だった。
その話を私はFにした。
「そう言えばオレ今日誕生日やわ。お前なんかプレゼントくれや」
って。
そしたらFが、
「いや、別にいいけどオレのバージンあげるのもなあ・・・・」
ってまた下らない話に突入。
そうこう話してるとFがいいプレゼントを思い浮かぶ。
「そうや。お前ストリップに行けや。ストリップオレが奢ったるわ。」
と。
「おお!それはおもしろい趣向やなあ!オレのような人間にはおあつらえ向きのバースデーだ!19の誕生日を最も下らない形で送りたいね!」
って言う感じで2人で盛り上がる。
しかしFには黙っていたんだが、私そのトキかなり体調悪くて熱も少しあった。
外も相当雨も降っていたんだが、そんなおもしろいバースデープレゼントを逃すのは惜しいと思い、そのまますぐ近くにある更生ショー劇場に行く<ストリップ初体験>の2人。
受付も済まし、劇場に入ると、そこは魑魅魍魎と化したオヤジ達の群れ。
若い人間は明らかに私等2人だけだった。
ヤンヤヤンヤの喝采の中、踊り子さん達が<女性のデリケートな部分>をおおっぴろげにして舞台で大暴れ。
客も大暴れ。
それ見て、私等縮こまる。
Fはだんだんその空気に慣れ始めていたが、私の方は熱がだんだん上がり始めて目の前グラグラになる。
するとそんな朦朧とした私の目に、隅の方に看板のようなモノに書かれた<ポール牧>と言う字が飛び込んだ。
「ん?ポール牧?見間違いかな?」
頭が朦朧と言うのもあるが、小屋の中は暗がりだったので良く見えなかった。
こんな場末のストリップ小屋と、ポール牧の接点も見つからなかったんで、まあ気のせいだろうと思い、再び私はショーに目を向けた。
ショーの最後に<ポラロイドタイム>と言うのがあり、客は一段と<魑魅魍魎>と化す。
ポラロイドタイムとは、500円を払い、ストリップの踊り子さんの<デリケートな部分>を写真で撮れると言うサービスだ。
私等は今まで<生の女性のデリケートな部分>を見たコトがなかったので、戦利品としてゲットしたいと言う衝動にかられる。
そんでFがとうとう今まで無口だった口を開きこう言った。
「オレがお前のバースデープレゼントにあの写真もやるわ。一緒に撮ろうぜ!」
と。
しかしその時私はショーの内容も全然頭にはいらないくらいに風邪で頭がフラフラだったんだが、ここで手ぶらで帰ったんじゃあ男が廃る!
と言うワケで、踊り子さんのデリケートな部分を<19歳の記念>にポラロイドで撮る。
その後ストリップの感想をワーワーと言いながらFと別れたんだが、帰り際
「熱もあるのに何やってんだオレ・・・・?」
と、少し切なくなる。
そして数年後、ある番組(徹子の部屋だったか?)でポール牧が出演していて、過去の自分について話していた。
それを何の気なしにボーっと見ていると、ポール牧は<ラッキーセブン*2>時代に、まだ全然売れなかった頃、布施の更生ショーでコントをやっていて、未だに年末か年始ぐらいに、とてもお世話になったストリップ小屋更生ショーに漫談をしに行ってると話していた。
それを聞いてなんだかジーンとする。
それと同時にあの19歳の時に見たポール牧と言う字が、やはりあの<ポール牧>のコトだったのかと分かった。
ポール牧は大御所になっても<義理>を貫き通していたのだ。
あんな小汚い小さな小屋の為に。
それを見ていて当時の下らない自分の誕生日のドンチャン騒ぎなどを思い出したりしてグっときた。
それ以来なんだかポール牧の見方が少し変わった。
そして今回の自殺を考えると、妙に納得したりした。
やっぱり真面目な人間が<お笑いと言う仕事>をやるのは精神的に相当キツいコトなんだろうなあと。
親父の後継いで坊主になったりねぇ・・・。
桂枝雀も相当真面目だったもんな。
そんな感じで、また当時を思い出したりして、なんか切ない事件だった。
合掌。

画像:ポール星人

*1:アメリカのプロレス団体。後に団体名がWWEになった。

*2:当時ポール牧が組んでいたコンビ名