地獄よ・・・・・

fujigelge2005-06-18

今日は久々に日野日出志地獄変と言う漫画を読んだ。
私この作品も大好きで、何度も読み返す作品の1つだ。
簡単に内容を説明すると、心の中にあるドロドロしたものや、イライラしたものとか、そう言う取り留めの無い感情を思いっきり叩きつけてる感じの作品。
主人公の自称地獄絵師と名乗る男の狂気極まりない独白で話しが進む。
人殺しシーン満載で、グロテスクなシーンてんこ盛りである反面、とても美しい耽美な雰囲気も同時にある。
漫画と言うか、に近いのかもしれない。
私この作品は小学校の頃に読んだんだが、そのトキの印象は、ただのホラー漫画ぐらいの捉え方だったんだが、20代の頃に読んだトキは全然ホラー漫画に見えない捉え方をしていた。
そんな20代の頃に思ったコトは、子供の頃に読んだ漫画と、大人になってから読んだ漫画は、当たり前だが全然感じ方が変わるもんだなあと言うものだった。
小学校の頃、この漫画の有名なラストシーンで、主人公が斧を振りかざしながら読者に向かって
「君は死ぬ!!あなたも死ぬ!!おまえも死ぬ!!きさまも死ぬ!!貴兄も死ぬ!!貴女も死ぬ!!てめえも死ぬ!!そっちも死ぬ!!あっちも死ぬ!!みんな死ね〜〜〜っ!!」
って言いながら持ってる斧を読者に向かって投げる場面はとても恐ろしく、そりゃあ震え上がったもんだったが、大人になってから読むと凄く悲しいシーンに見えて、切なく胸がざわめく。
たぶんこう言う作品を描くトキは、とんでもないエネルギーを使って描いているはずだ。
で、この前ニュースで自分の学校に爆弾投げつけた奴いたじゃない?
あの事件だけじゃなく、若い奴が無差別に人殺ししたりするニュースとか見るたび
「あ〜・・・もったいねぇコトすんなあ・・・」
って思ったりする。
そんなエネルギーあるんなら漫画とか小説とかにそのエネルギー使えよって思ってしまう。
もしかしたらスゲエエネルギー満タンのドロドロした作品作るかもしれないのに。
作品中なら人殺しし放題ですよ。
しかもそれ読んだらもしかしたら誰かを感動させるかもしれないのに。
あ〜もったいない。
で、その爆弾投げ込んだ奴っていつも護身用のナイフ持ってたんだって?
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・で・・・・でも・・・・成功するかどうかは分からんけどな・・・・・。
ではそんなエネルギー溢れる地獄変の冒頭に書かれている詩を抜粋して終わりたいと思います。

[地獄よ・・・・]



地獄よ ぼくの傍に来い
地獄よ ぼくの傍に来て ぼくを包んでおくれ
おまえのその血の匂いが ぼくは死ぬほど好きさ
ああ血の匂い ぼくはお前に包まれていると
むせ返るような懐かしさと 安らぎを覚えるのさ
さあ今夜も一緒に 安酒でも飲もうよ
夜が明けるまでの 束の間の暗黒の中でさ


地獄よ 早くぼくの傍に来い


ああ地獄よ ぼくの故郷
ああ地獄よ ぼくの父
ああ地獄よ ぼくの母
ああ地獄よ ぼくの命


ああ地獄よ ・・・・・・
 
             シンイェ・アンツー作「地獄詩集」より

以上。

追記:そう言やこの前おやっさんと話してたトキも
「子供の頃ライダーマン*1ってとてつもなくカッコ悪いと思ってたけど、大人になった今凄くカッコ良く見えるようになりましたねぇ」
と言ったら、どうもそう言う人が結構いるらしいとのコト。
おやっさんライダーマン好きだって言ってたし。
いろんな事柄も、その時々で感じ方が変わるものだ。
不思議。

*1:仮面ライダーV3に登場したデストロンと言う悪の秘密結社の元科学者であった結城丈二が変身した姿のコト。後にV3の仲間になる。