fujigelge2010-12-31

とある路地裏にある、いつも80〜90年代のアイドルの歌が流れる負け犬のホーム・グラウンド、小料理屋<幻魔大戦>にて。



BGM:EQUALロマンス/CoCo






オレ:「ういいいいいぃぃぃぃぃ・・・・」(カウンターで酔いつぶれてる)


女将:「・・・・・・・・・・」(非常に哀れそうな顔で酔いつぶれてる男を見る)


オレ:「ういいいいいぃぃああああああ・・・・」


女将:「・・・・・・・・・・」


オレ:「ういいいいいぃぃぃぃぃええええええええええ・・・・」


女将:「・・・・・・・・・・」


オレ:「おい女将、オレは今フリチンでカウンターに寝そべっている。なのに何故いつものように怒らねぇんだ?」


女将:「・・・・・・・・・・」(非常に哀れそうな顔で酔いつぶれてる男を見る)


オレ:「しかもチ○ポにマジックで谷亮子専用って書いてるのに何故なにも突っ込まないんだ?」


女将:「・・・・・・・・・・」(非常に哀れそうな顔で酔いつぶれてる男を見る)


オレ:「女将いい加減にしやがれ!!!貴様なにさっきからずっとだんまり決め込んでるんだ!!!?何故お前はオレのこんな暴挙をいつまでも傍観してるだ!!!?」


女将:「離婚したからよ


オレ:「え?」


女将:「不治さんが離婚したから哀れんで何も言えないのよ」


オレ:「女将・・・」


女将:「不治さん・・・この街は狭いのよ」(アルコールを染み込ませたタオルを渡す)


オレ:「そうか・・・知ってたのか・・・」(アルコールを染み込ませたタオルを受け取り、チ○ポの谷亮子専用という文字を拭き取りながら)


女将:「こんな商売をしてるとそんな噂はすぐに耳に入って来るモノよ。不治さん、今日は不治さんの自由にして良いわよ」(非常に哀れそうな顔で拭き取り終わったタオルを受け取りながら)


オレ:「女将・・・お前間違ってるぜ」


女将:「え?」


オレ:「オレが間違ったコトをしたらお前は殴ってでもオレを止めろ!!!!」


女将:「もっともなコト言ってるけどそれ誰目線の説教なのよ・・・?」


オレ:「いいか女将!!!オレはお前みたいな下等生物に哀れまれるようなケチな人間じゃねぇんだ!!!これから2度とオレにそんな顔向けるんじゃねぇ!!!この賞味期限切れのりくろーおじさんのチーズケーキが!!!!」


女将:「でも世間的にはどう見ても不治さん哀れよ」


オレ:「おい女将。ゲゲゲの鬼太郎のオープニングテーマ知ってるか?」


女将:「何よ藪から棒に?ゲ・ゲ・ゲゲゲのゲ〜♪ってやつでしょ?知ってるわよそれくらい」


オレ:「あの唄はお化けは学校も試験も何にもなくて楽しいって唄だ。そこに結婚もないって入れとけっ!!!今オレは凄くエンジョイだ!!!!ガハハハハハハ!!!!」


女将:「い・・・いつもの空元気じゃないわ・・・この人の顔・・・心からエンジョイしている・・・!!?」


オレ:「この婚活だの少子化問題だのの時代に結婚なんてくだらねぇって発言はある意味現代のロックでありパンクだろ!!!?しかも1度結婚した人間発信の説得力!!!よし!!!来年は<結婚なんてくだらねぇ>って曲作ってキングレコードからデビューしてカリスマになろう!!!!」


女将:「恐ろしく見通しの悪い野望ね・・・。っていうかなんでデビュー先が決め打ちでキングレコードなのよ・・・?」


オレ:「無理かな?オレはこの辺の唄作ったらマジで売れると思うけどな」


女将:「ところで不治さんなんで離婚なんかしちゃったのよ?」


オレ:「てめぇ、しょーもないワイドショーみたいなコト聞いてんじゃねぇよ。そんなの聞いてどうすんだ?くだらねぇ」


女将:「いや、だって普通は気になるじゃない。不治さん貰ってくれるような女性、来世に生まれ変わっても2度とないわよ?ケンカでもしたの?嫁さんに愛相尽かされたの?何が原因なのよ?」


オレ:「バカかお前?お前もバツイチならそんな質問しゃらくせぇってわかるだろ?」


女将:「何も私と不治さんの離婚の原因が同じとは限らないじゃない。やっぱり他人のコトは気になっちゃうもんよ」


オレ:「女将、オレがなんでハカイダー雲のジュウザ前田慶次やシモンやカミナが好きか知ってるか?」


女将:「今回はやけに質問責めで来るわね・・・。別に知りたくないけど一応聞いとくわ。なんでなの?」


オレ:「てめぇのルールに忠実に生きてるからよ!!!他人の決めたつまんねぇルールに従わねぇからよ!!!」


女将:「ロックミュージシャンみたいな言い草だけど、平たく言うと協調性のないダメ人間ってコトなんでしょ?そうか〜、それが原因なのね」


オレ:「違う!!!そういう言い方をするな!!!お前みたいな何でもひらたく言うしょーもない奴がいるからハイパーメディアクリエイターみたいなカッコイイ肩書きが普及していかねぇんだ!!!!」


女将:「はあ!!?散々「胡散臭ぇ」って言ってた口で何ほざいてんの!!!?」


オレ:「要はオレはお前みたいな大味でガサツな作りの人間と違って繊細でデリケートな人間なんだよ。実際フェミニーナ軟膏なしでは生きられない体だ。だから他人と一緒に暮らすなんて到底無理な話だったんだよ」


女将:「何言ってんのよ。私だって繊細でデリケートで壊れやすいソニータイマーみたいな人間なんだから」


オレ:「お前それいろんな意味で1番タチ悪いぞ・・・」


女将:「そういう言い方やめてよ。魔性の女って言ってよ」


オレ:「まあ、何にせよ理由はどうあれ離婚の原因など全て伝説巨神イデオンのエンディングテーマ<コスモスに君と>の2番の歌詞に集約されてるってこった」(おもむろに店に置いてあるアニソンCDを再生する)










女将:「懐かしい・・・・わ・・・・わかっちゃいけないんだろうけど・・・なんとなく言いたいコトはわかるわ・・・・


オレ:「そうか・・・お前もわかるか・・・ここで繰り広げられる話も全て傷をなめ合う道化芝居だ・・・」


女将:「さっき不治さん貰ってくれるような女性、来世に生まれ変わっても2度とないって言ったけど・・・これ聴いたら死んだあとでもいつか見つかるって思えるわ・・・」


オレ:「この歌詞を書いた富野由悠季は偉大だな・・・」


女将:富野由悠季は偉大ね・・・」





(この後、2人の間に5分の沈黙が流れる・・・)




オレ:「そう言やお前はなんで離婚したんだ?長年付き合ってるけど聞いたコトなかったな」


女将:「何しょーもないワイドショーみたいなコト聞いてんのよ?そんなの聞いてどうすんのよ?」


オレ:「な?そうなるだろ?」


女将:「水商売にありがちなヨゴレな理由よ」


オレ:「旦那の酒、ギャンブル、暴力、浮気の内のどれかか?」


女将:「・・・(顔を横に振る)・・・・」


オレ:「違うのか?」


女将:「そのフォーカード全部・・・・・・」


オレ:「お・・・お前って最強のアニバさん*1だったんだな・・・」


女将:「ベタすぎて笑えないでしょ?」


オレ:「いや、20年前のドリフ大爆笑くらい逆に一周回っておもしろいレベルだ」


女将:「何よ!私はまだ幸せを諦めたワケじゃないんですからね!私は不治さんみたいに死んだ後じゃなくて近いうちにいい男(いいひとと読む)を見つけるんだから!」


オレ:「女将、店もう閉めんだろ?このあと用事でもあんのか?」


女将:「何よ急に・・・別に・・・・・・ないけど」


オレ:「じゃあこれからイデオン接触篇と発動篇一緒に見ねぇか?」


女将:「良いわね!!私あれ見るの10年ぶり!♪」


オレ:「オレもキッチ・キッチンの首がぶっ飛ぶトコ見るのは20年ぶりだ」


女将:「え?キッチ・キッチンって爆死したんじゃなかったっけ?」


オレ:「さあ、どうだったかな?オレも遠い昔のコトだ・・・細かい内容は忘れちまったよ・・・」(遠くを見つめながら)


女将:「私は爆死だと思うな♪」


オレ:「よし!じゃあ早速キッチ・キッチンの死因確かめにレンタルビデオ屋に行こうぜ!!」(笑顔でパンツとズボンを履きながら店を出る)


女将:「ちょっと待って、今お財布取って来るから」


オレ:「えっきしっ!!うう・・・寒みぃ・・・もう今年も終わりか・・・へへ・・・年越しにイデオン見るなんて負け犬のオレたちにゃあおあつらえ向きだぜ・・・」


女将:「お待たせ!あら、不治さん見て!今夜は一段と夜空がキレイよ」


オレ:「はあ?そうか?いつもの汚ねぇチンケな夜空じゃねぇか」


女将:「ほら、オリオン座がキレイじゃない」


オレ:「ケっ!オレは何十年も夜空を見上げてこの冬のオリオンに嗤われてきたんだ。もう見たくもねぇよ」


女将:「星は良いわね・・・いつまでも変わらなくて」


オレ:「へへ、オレたちだっていつまでもこの街で変わってねぇじゃねぇか」


女将:「・・・そうね・・・な〜んにも変わってないわね・・・じゃあ私たちもあの星と一緒なのね・・・」


オレ:「なんだか星ってのが段々つまらねぇモンに見えてきたよ」


女将:「ふふふ」


オレ:「あはははは!!」


女将:「うふふふふふふふふふふ」


オレ:「あっははははははははははははは!!!!!」


女将:「あはははははははははははははは!!!!」



















オレ&女将:*2









藤寿男の後悔日誌OMMZ   第二部 神々の黄昏編   



*この物語は事実を元にしたかなりな悪ふざけフィクションです。

*1:関西のローカル番組<おはよう朝日です>のワンコーナー今日のアニバさんに出て来る不幸を背負った一般女性視聴者のコト。

*2: