宇宙刑事ギャリアン

fujigelge2011-07-21

私、数年前漫画家やってたワケなんですけど、今まで自分がどんな作品描いてたとかの話ってあんまりしなかったんですよね。
あんまりっていうかほとんどしたコトないんですよ。
そんなコト聞いてくる人あんまりいなかったって言うのもありますし、過去に描いた漫画の話するのちょっと恥ずかしいってのもありますし。
<恥ずかしい>って別にエロ漫画描いてたワケでもないし、自分で描いた漫画がつまんないとも思ってないんですが、なんかこういうのって気恥かしいモンなんですよ。
で、最近良く人に
「どんな漫画描いてたんですか?」
って聞かれるようになってきまして、自分の描いた漫画の話人にしたりするんですが、どういうワケか最近あんまり恥ずかしくなくなってきたんです。
良く考えたらこのブログやり始めてもう7年くらいになるんですけど、ほとんどそういう話しなかったというコトに気付きました。
今回は自己紹介がてらにもうそろそろ自分の描いた漫画を紹介してもいいかなって思ってきたんで、洋楽のCD買ったら歌詞カードに付いてるライナーノーツみたいな解説を加え、何日かに分けて紹介しようと思います。
全然関係ないですけどライナーノーツって聞くと伊藤政則の名前が浮かびます。





これはヤンマガ月間新人賞で奨励賞貰って、初めて雑誌に載ったデビュー作です。
ペンネームが犬神功になってます。
これは、自分の漫画がまさか紙面に載るとは思ってなかったんで、ペンネームを考えてた時に手元に犬神家の一族の小説があったからそっからテキトーに付けたんですが、改めて紙面に載ったこのペンネームを見て
「ヤバい・・・このペンネーム凄く恥ずかしい!!」
という理由からコレ以降は藤寿男に変えました。
宇宙刑事ギャバンシャリバンを引っ付けただけの安易なタイトルのギャグ漫画です。
で、内容はどういう内容かと言うと、地球人に容姿がそっくりな宇宙人メギド星人の地球への不法入星(不法入国のようなもの)がメギド星全体で大問題になり、地球に滞在してる不法入星者を取り締まるタメにメギドから地球に送られたのが宇宙刑事ギャリアンというお話です。
中国に<蛇頭(じゃとう)>という密入国を斡旋するブローカー犯罪組織が実際にあるんですが、それを宇宙規模でやってるやつがメギド星人にいて、それを捜査し逮捕するのが本当のギャリアンの目的なんですが、本編ではこの裏設定の様子は一切出て来ず、ワンルームのアパートに住むギャリアン(地球名:鈴木一郎)のマヌケな日常を主に描いてます。
敵は怪人などではないので変身して逮捕するまでは精々2ページか3ページくらいです。

犯罪者を逮捕するギャリアン


↑の画像の下の大ゴマのところを見ると、タチキリのコマの枠が印刷でどこまで見えるのかまだわかってないのが初々しさを物語ってますね。
あとこの頃Gペンじゃなくミリペンで描いてたんで絵がノペーっとしてます。
当時、久住昌之先生の作風に影響を受けていて、日常生活の些細なコトで一喜一憂し、七転八倒するギャグを宇宙刑事がやったらおもしろいんじゃないか?と思って描きました。
もし、この話が続くコトがありそうだったら蛇頭みたいな犯罪組織と本格的に戦う話にもっていったりもっていかなかったりしようと思ってました。
もちろん宇宙刑事が1人で密入星者を全員取り締まるのは不可能なので、日本中、世界中のあちこちに宇宙刑事が点在してるという設定です。
なので、他の宇宙刑事がギャリアンのアパートに遊びに来て
「あれ?お前こんな洗剤使ってんの?」
みたいなくだらないやり取りや、ヤクザの事務所みたいな犯罪組織のアジトにギャリアンを含む数人の宇宙刑事がガサ入れする当日の朝に
「あれ・・・?ブラスター(熱線銃)家のどこにもない!!どうしよう・・・今日いろんな宇宙刑事が集まる大事な日なのに!!!」
みたいなしょーもないピンチを入れながらやりたいなとか考えてました。
あと近所のそば屋で働いてる岬って女の子に惚れてるけど自分は宇宙人だから付き合えないという心の葛藤があって、ある日オタクの犯罪者から押収したウルトラセブンの最終回のビデオを見て号泣するっていう話が個人的には気に入ってたんですが、没になったのは悔しかったです。
そんなワケで、宇宙刑事ギャリアンの話でした。
以上。