ロマン主義
どうも、ロバート・フリップです。
ウソです藤です。
いつもならスーパー厨房タイムをやるトコなんですが、昨日ニコ動でちょっとおもしろい動画を見つけたんで紹介したいです。
おもしろいと言ってもどこがおもしろいのか非常に伝えにくい動画なので、ご紹介前にちょっと解説を加えておきます。
何の動画かと言いますと、スーパーストリートファイター４ＡＥという格闘ゲームのプレイ動画なんです。
格ゲーに興味ない方にもどこがおもしろいのかわかり易く説明できたら良いなと思ってます。
まず、このプレイ動画のどこがおもしろいのかを先に言っておくと、ロマン動画というところです。
うｐ主はこのゲームでリュウというキャラを使っており、そのリュウが滅・昇龍拳を対戦相手に当てまくって勝つという動画なのです。
それのどこがおもしろいのかと言うと、滅・昇龍拳というのは、ウルトラコンボ、通称ウルコン（ＵＣ）という相手に一発逆転の大ダメージを与えるコトのできる必殺技でして、リュウだけではなく全てのキャラにこのウルコンは備わっているんですが、このリュウの滅・昇龍拳と言う技はまったく使えないクソウルコンなんですよ。
まず狙って当たるようなもんじゃない使えない代物でして。
じゃあリュウは弱いキャラなのかと言うとそうでもないんです。
全キャラにこのウルコンはウルコン１ウルコン２という２つのタイプがあって、プレイヤーは好きなウルコンを選べるようになってまして、リュウを使うならウルコン１の滅・波動拳を選ぶのが当たり前であり、常識な選択なんです。
何故常識なのかと言うと、この滅・波動拳は連続技に組み込める技なんです。
隙の少ない通常の必殺技が当たったら、そこから大ダメージを与えられる滅・波動拳に技を繋げられるチャンスが発生し、大ダメージを与えられる代わりに隙が大きいウルコンをリスクが少なく打てるという仕組みになっているので、リュウを使うなら滅・波動拳一択なワケです。
それに比べ、ウルコン２の滅・昇龍拳はいつ上から飛んで来るかわからない相手に一か八かの賭けで狙うというハイリスクなウルコンなんですよ。
ハズしたら確実に相手にボコボコにされます。
しかし、当たれば滅・波動拳より大きなダメージが見込めるロマン技なのです。
それをこのうｐ主はある戦術でこの使えないクソウルコン滅・昇龍拳を当てて行くのです。
その戦術とは、相手に下手クソと思わせる動きを見せるというモノです。
リュウというキャラは飛んで来る相手を落とすコトができる対空技、昇龍拳というモノがありまして、うｐ主は飛んで来る相手に昇龍拳をあまり使わないんです。
すると相手は
「あ、こいつ昇龍拳でロクにジャンプ攻撃を落とせない下手クソだ」
と思い、どんどんジャンプ攻撃を仕掛けて来るワケですよ。
うｐ主はそこで相手の警戒心を緩めさせるコトに成功するワケです。
そして意味のない竜巻旋風脚や、意味のない昇龍拳を素人みたいに打って更に相手の警戒心をなくして行くワケです。
ところが実はうｐ主は普通に上手いんですよ。
相手の攻撃を喰らってはいるんですけど、いつの間にか相手にもダメージをちょこちょこ当てて行くんです。
で、もちろん相手の顔は見えなくてわからないんですが、操ってるキャラの動きが明らかにイライラし始めるのがわかるんです。
段々相手に安易な攻撃が増えてくるんですよ。
で、イライラが頂点に来た相手は
「今まで昇龍拳でちゃんとジャンプ攻撃を落とせてないからこのまま飛び込んで一気に攻めてやる！」
ってなったが最後、うｐ主は
「待ってました！！」
といわんばかりに滅・昇龍拳をクリーンヒットさせて勝つんです。
動画を見てる視聴者も
「釣れた―――――！！」
となるんですよ。
これはどう言うコトかと言いますと、うｐ主は格ゲーでプロレスをしてるワケですよ。
プロレスと言うのは、相手の技をワザと受け、お客さんを十分楽しませてからフィニッシュホールドで相手を倒すんです。
このウルコンというのも、いつでも打てるワケではなくて、相手の攻撃を一定量受けるとウルコンゲージが溜まって、そこで初めて打てるようになるんです。
なのでうｐ主は相手に下手クソと思わせるのと同時に、滅・昇龍拳を打つ準備も兼ねて攻撃を受けてるんです。
まさにプロレスをやってのけてるワケですよ。
実は良く見てみると、要所要所でテクニック使ったりで、最初の頃はそこそこ上手い感じだったのに、動画の後半になると凄く強いＰＰ４０００代*1の人にもこのふざけた戦法のテクニックが上達していって勝って行くんですよね。
ＰＰ４０００代の人をマグレで倒すなんてコトはまずあり得ないです。
うｐ主の＜滅・昇龍拳をいかに相手に確実に当てるコトができるか？＞という拘りの理論があってこそ可能な当て方なのです。
もうこれは勝ち負けどうこうよりうｐ主の滅・昇龍拳に対するフェティッシュな世界ですよ。
これはある種真剣なネタ動画なんですが、それをわかって楽しんでる視聴者と、
「こんなのマグレだろ？」
と冷めたスタンスの人とがバックリ分かれててそこもおもしろいんですよ。
まあ、この動画はプレイが上手い、下手とかそういう見方で見るのではなく、
「滅・昇龍拳は男のロマンだ！！！」
と、エンターテイメントとして見ると楽しい動画です。
そして回を重ねると、うｐ主が開発したであろうジャンプして真空竜巻旋風脚というエサの付いた釣り針を仕掛けて、着地と同時に相手が攻撃をしかけて来たところを滅・昇龍拳で釣りあげるという、コメントでは＜奥義＞と呼ばれる技を使いロマンに胸ときめかせてくれます*2。
いやー、滅・昇龍拳正直ナメてたわ。
